
アトリウムにある調理室には小学4年生から6年生の子どもとお父さんが集合。「きょうは、粉を練るところから二八そばを作ります」という講師の高橋政栄さん(にいがた蕎麦の会)の説明に最初は不安を隠せない親子も多かったが、作業を進めていくうちに親子らしいやりとりも聞こえてきた。「どれくらい混ぜるのかな」「パパ、違うんじゃない?」と指摘する女の子に「かなわないなあ」と笑うお父さん。一方、息を合わせながらも、もくもくと手を動かす男の子とお父さんもいる。難しいところは講師やスタッフに手伝ってもらいながら、1時間半ほどで出来上がり、自らが打ったそばはお土産にして持ち帰った。
西区から参加した金子潤平さん(11歳)は「こねるときが大変でした。でも一緒にやってうまくできました」と、お父さんを見てにっこり。そばが大好きという西区の枝村瑠悠(るちか)さん(10歳)は「延ばすときに生地が切れそうになったけど、うまくできました」。お父さんも「子ども以上に自分が楽しみました」と満足そうだった。


小学1年生から3年生までの子どもとお父さんは、蒸し器を使っての「ぽっぽ焼きづくり」に挑戦した。「材料を混ぜて型に流し込み、蒸すだけなので簡単。ただしポイントはアルミホイルでの型作りです」と、講師の料理家・野股正宏さん(ヒロクッキングスタジオ)。10本のぽっぽ焼きができるようにアルミホイルを均等幅に折っていくが、勝手な形を作ろうとするわが子にあわてるお父さんも。親子で協力して型に生地を流し込み、15分ほど蒸して出来上がり。ふたを取った瞬間、お父さんたちも歓声をあげていた。
秋葉区から参加した角山稜太(つのやまりょうた)さん(8歳)が「かき混ぜるところが難しかったけど、おいしくできました」と言うと、「完璧にできて満足です」とお父さん。普段もお父さんと炒めものなどを作るという中央区の平野あやさん(8歳)、ゆいさん(7歳)姉妹は「一緒に作ったからおいしい!」「すごく楽しかった」。お父さんのエプロン姿は?と聞いてみると、「似合っています!」と太鼓判を押してくれた。



「コンニチハ!」と元気に登場したあきやまただしさんは、『はなかっぱ』や『パンツぱんくろう』など人気アニメの絵本作家。お花を頭にちょこんと着けて、子どもたちが大好きなキャラクター・はなかっぱくんに変身すると、さっそく言葉の変化を楽しむ絵本『へんしんトンネル』から、読み聞かせが始まった。ただし、あきやまさんの読み聞かせは、まるで一人ミュージカル。さまざまな声色を使いながらキャラクターを演じ、体を大きく動かしたり、楽器を鳴らしたり、歌ったりのパフォーマンスに、子どもも大人もどんどん引き込まれていく。一緒に声を出し、いろいろな表情を作り、そして大笑い!あきやまさんが生み出した個性的で楽しいキャラクターたちとたっぷり遊び、絵本を楽しんだ1時間半だった。
ステージを終えたあきやまさんに、読み聞かせのコツについて聞いてみると、「読み聞かせはライブです」。絵本は文章をできるだけそぎ落とし、短く簡潔に書かれている。読み手がそこにいろいろな説明を加えたり声色を使ったり、子どもが言ってきたことにきちんと答えたりしながら読むことで面白くなる。
確かにあきやまさんのパフォーマンスでは、子どもの反応を受けて脱線し、書かれていないせりふがポンポン飛び出して大盛り上がりだった。「お父さんの中には絵本の読み聞かせに慣れていないために、苦手意識がある人もいますが、読み聞かせの会などで、まず体験してみてほしい。きっとやみつきになります」と言い切る。あきやまさんも、子どもにうけたり笑ってもらえたりすることを体験して、はまってしまったのだそうだ。
あきやまさんが絵本作家として伝えたいのは、「親と子の関係を構築してほしい」という思いだという。あきやまさんの絵本で、子どもが暴れても冒険しても帰る場所として家族が描かれているのはそのためだ。「お父さんお母さんは、お子さんをもっともっと見てほしい。そうすれば、関わり方は子どもが自然に導いてくれます」と話してくれた。
