11月3日(木・祝)に、10月オープンしたばかりの新潟市食育・花育センターを会場にして「にいがたっ子・食花まつり」(新潟市主催・アッシュ共催)が開かれた。ガラス張りで吹き抜けのアトリウムでは地域の子育て支援団体が合同で運営したファミリーカフェ、そのほか屋内では、あきやまただしさんの絵本ライブをはじめ、父と子の料理体験、親子あそび、カプラランド、屋外ではご当地ヒーロー「超耕21ガッター」のステージショーやサッカー教室、大根収穫体験など盛りだくさんの内容。施設内外を季節の花々が彩る中、新潟の食の豊かさを感じながら親子で思い切り遊んだ一日だった。

ギュッギュッと力をこめて一緒に生地をこねたよ!
<父と子のそば打ち体験>

 アトリウムにある調理室には小学4年生から6年生の子どもとお父さんが集合。「きょうは、粉を練るところから二八そばを作ります」という講師の高橋政栄さん(にいがた蕎麦の会)の説明に最初は不安を隠せない親子も多かったが、作業を進めていくうちに親子らしいやりとりも聞こえてきた。「どれくらい混ぜるのかな」「パパ、違うんじゃない?」と指摘する女の子に「かなわないなあ」と笑うお父さん。一方、息を合わせながらも、もくもくと手を動かす男の子とお父さんもいる。難しいところは講師やスタッフに手伝ってもらいながら、1時間半ほどで出来上がり、自らが打ったそばはお土産にして持ち帰った。
 西区から参加した金子潤平さん(11歳)は「こねるときが大変でした。でも一緒にやってうまくできました」と、お父さんを見てにっこり。そばが大好きという西区の枝村瑠悠(るちか)さん(10歳)は「延ばすときに生地が切れそうになったけど、うまくできました」。お父さんも「子ども以上に自分が楽しみました」と満足そうだった。


鉢の中で粉をよく混ぜ、ほぐしてまた混ぜる。
これがけっこう難しい
そばの生地を均等の厚さに延ばしていく

 
本格的なそば切り包丁で慎重にそばを切る

お祭りの味、自分たちでもできたよ!
<父と子のぽっぽ焼きづくり>

 小学1年生から3年生までの子どもとお父さんは、蒸し器を使っての「ぽっぽ焼きづくり」に挑戦した。「材料を混ぜて型に流し込み、蒸すだけなので簡単。ただしポイントはアルミホイルでの型作りです」と、講師の料理家・野股正宏さん(ヒロクッキングスタジオ)。10本のぽっぽ焼きができるようにアルミホイルを均等幅に折っていくが、勝手な形を作ろうとするわが子にあわてるお父さんも。親子で協力して型に生地を流し込み、15分ほど蒸して出来上がり。ふたを取った瞬間、お父さんたちも歓声をあげていた。
 秋葉区から参加した角山稜太(つのやまりょうた)さん(8歳)が「かき混ぜるところが難しかったけど、おいしくできました」と言うと、「完璧にできて満足です」とお父さん。普段もお父さんと炒めものなどを作るという中央区の平野あやさん(8歳)、ゆいさん(7歳)姉妹は「一緒に作ったからおいしい!」「すごく楽しかった」。お父さんのエプロン姿は?と聞いてみると、「似合っています!」と太鼓判を押してくれた。


生地をしぼり袋に入れるのは共同作業で
 

アルミホイルで型を作り、そこに生地を流し込む。
型作りは根気のいる作業
子どもも大人も大好きな新潟の味、ぽっぽ焼き。
おいしくできました!

お父さんもどんどん読み聞かせをしよう!!
<あきやまただし絵本ライブ>

「次は何が起こるだろう?」あきやまただしさんのステージに、親子みんなでワクワク・ドキドキ!
キャラクターに変身して読み聞かせをするあきやまさんに、会場は大盛り上がり

 「コンニチハ!」と元気に登場したあきやまただしさんは、『はなかっぱ』や『パンツぱんくろう』など人気アニメの絵本作家。お花を頭にちょこんと着けて、子どもたちが大好きなキャラクター・はなかっぱくんに変身すると、さっそく言葉の変化を楽しむ絵本『へんしんトンネル』から、読み聞かせが始まった。ただし、あきやまさんの読み聞かせは、まるで一人ミュージカル。さまざまな声色を使いながらキャラクターを演じ、体を大きく動かしたり、楽器を鳴らしたり、歌ったりのパフォーマンスに、子どもも大人もどんどん引き込まれていく。一緒に声を出し、いろいろな表情を作り、そして大笑い!あきやまさんが生み出した個性的で楽しいキャラクターたちとたっぷり遊び、絵本を楽しんだ1時間半だった。
 ステージを終えたあきやまさんに、読み聞かせのコツについて聞いてみると、「読み聞かせはライブです」。絵本は文章をできるだけそぎ落とし、短く簡潔に書かれている。読み手がそこにいろいろな説明を加えたり声色を使ったり、子どもが言ってきたことにきちんと答えたりしながら読むことで面白くなる。
 確かにあきやまさんのパフォーマンスでは、子どもの反応を受けて脱線し、書かれていないせりふがポンポン飛び出して大盛り上がりだった。「お父さんの中には絵本の読み聞かせに慣れていないために、苦手意識がある人もいますが、読み聞かせの会などで、まず体験してみてほしい。きっとやみつきになります」と言い切る。あきやまさんも、子どもにうけたり笑ってもらえたりすることを体験して、はまってしまったのだそうだ。
 あきやまさんが絵本作家として伝えたいのは、「親と子の関係を構築してほしい」という思いだという。あきやまさんの絵本で、子どもが暴れても冒険しても帰る場所として家族が描かれているのはそのためだ。「お父さんお母さんは、お子さんをもっともっと見てほしい。そうすれば、関わり方は子どもが自然に導いてくれます」と話してくれた。

プロフィール
1964年、東京都生まれ。東京芸術大学デザイン科卒業。1992年「ふしぎなカーニバル」で第14回講談社絵本新人賞受賞。1995年「はやくねてよ」(岩崎書店)で日本絵本賞、大賞受賞。「へんしんシリーズ」「はなかっぱ」「まめうし」「パンツぱんくろう」など、人気シリーズを次々に生み出している。

 
開演前後には、サイン会に多くの親子が行列をつくった
「絵本は言葉や文字を見る導入だから、子どもが喜んで楽しくなる面白さがあっていいのでは」と、あきやまさん
お父さんと子どもで、地域のイベントを楽しんで
 にいがたっ子食花まつりを担当した新潟市こども未来課がことし2月に実施した子育て市民アンケートでは、父親の育児参加の啓発に有効なことは「父親と子どもが一緒に楽しむ機会を提供すること」という回答が6割を超えている。
「にいがたっ子食花まつり」は、あらためて子育ては楽しいと感じるいいきっかけとなったのではないだろうか。
 ただしこのようなイベントに限らず、地域のちょっとした催しでもお父さんと子どもが一緒に楽しむことができるはず。新聞やテレビ、ホームページからの情報だけでなく、身近な地域の方々との交流を通して、お父さんももっと子どもたちと接する機会を持とう。

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