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第57回
見たい番組を好きなだけ、お子さんに長時間テレビを見せていませんか?子育てにおいて、上手なテレビとの付き合い方を考えてみましょう
小嶋 かおり(こじま かおり)先生
新潟青陵大学短期大学部幼児教育学科助教。
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一方的な情報が流れてくるだけのテレビ、2歳までの乳幼児は控えたほうがよいでしょう |
子どもの心の発達へのテレビの影響については、さまざまなデータから2つの問題があると言われています。その一つは、テレビを見続けていることで、ことばの発達が遅れたりコミュニケーションの妨げになったりするのではないかというものです。しかし、日常生活の中でテレビの影響だけを取り出して研究するのは難しく、結果に対する意見も分かれていて、はっきりした結論は出ていません。
ただし発達心理学の視点からみて、2歳までの乳幼児にテレビを見せ続けるのはよくないと思われる理由があります。2歳までは感覚と運動を繰り返しながら発達していく時期です。入ってきた情報に自分の五感を使って反応し、それに対する反応が刺激として入ってくることの繰り返しによって、自分の世界を認識していきます。つまり実体験をすることがとても重要なのです。とくに赤ちゃんは、自分が反応するとお母さんや周りの人が笑ってくれるということで、意識的に笑ったり反応をするようになります。これに対し、テレビから一方的に流れてくる刺激に反応しても、生の体験としての刺激は返ってきませんから、この時期にテレビを長時間見せていると微妙なコミュニケーションができなくなる可能性があるといわれています。
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テレビのよい点とよくない点を知った上で子育てに上手に利用することが大事です |
もうひとつの問題として、暴力シーンなど、あまり好ましくないシーンが子どもの攻撃行動をあおるのではないかということです。この点についても、攻撃行動の多くみられる子どもは攻撃的なものが好きとも考えられるので、明確な因果関係は分かっていません。
ポイントは、お子さんがテレビの映像をどのように理解しているか、ということです。テレビに映っているものがフィクションかどうか、また演じている俳優も実際にはテレビと違う人物であることなどを理解するには、かなり複雑で高度な能力が必要です。大人には簡単でも子どもには難しく、テレビと現実をなんとなく区別し始めるのは4歳くらいからで、内容によっては6歳になってもテレビの世界と現実を同じ次元で見ていることがあるようです。
もちろん、朝や夕方の忙しいときに、お子さんの好きなテレビ番組があって助かっているという方も多いでしょう。そこで大切なのは、だらだらと見せずに見たい番組を決めること、できれば一緒に無理なら片手間でもいいので、大人とやりとりをしながら見せることです。好ましくない場面があったら「あれは良くないね」「言葉使いがよくないね」などと確認しながら見せることが、一種の社会性の学習につながるという研究報告もあります。
さて、お子さんにテレビを見せないとなると、大人がお子さんに付き合わなくてはなりません。一緒に絵本を読んだり、トランプをしたり、洗濯たたみや掃除のお手伝いも、子どもには楽しい遊びになるでしょう。テレビの話題を通してお友だちとの関わりがスムーズにできることもありますし、テレビを見ることでお子さんの周りにはない世界に触れられることはむしろよいことです。上手な付き合い方でテレビを子育てに取り入れていきましょう。
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■2歳までの乳幼児にはテレビの一方的な刺激よりも、周囲とのかかわりを。
■テレビ番組の構造や内容が、なんとなく現実と違うものと理解し始めるのは4歳頃から
■見たいテレビ番組を決めて、けじめをつけて見せよう。
■お子さんと一緒にテレビを見ながら、やりとりをすることも大事。
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