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第54回
素材の特徴を生かすことで、衣服によって快適性を保つことができます。
気持ちよく活動し清潔でいられるように、子ども服を選んであげましょう。
丸山 尚夫(まるやま ひさお)先生
新潟青陵大学短期大学部人間総合学科教授。博士(工学)、技術士(繊維部門)。
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私たちの「快適な状態」は衣服を着ることによって保たれる |
人間は身を守り、快適に過ごすために衣服を着ています。
では、私たちはどんなときに「快適」と感じるでしょう? 不快と感じる寒さや暑さ、湿度や乾燥などの悪い条件を取り除いたときや、寒い外から暖かい家の中に入ったときのように不快から快適に変化するとき、またファッション志向に基づく欲求を満たされるときなど、さまざまです(もちろん男女によっても違いますし、個人差も考えなければいけない要素です)。大きく分けると保健衛生的な快適さと文化的な快適さということになりますが、これを衣服に置き換えたとき、小さなお子さんの衣服について第一に考えなくてはならないのは、保健衛生的な快適さを保つ機能だと思います。
寒さや熱から体を守るという温熱的な目的を満たしてくれること、吸水性・吸放湿性があること、体に適合しストレスを与えず動きやすいこと、また衛生面を保つことも重要です。これらの要素を考えながら、子供服にはさまざまな素材が選ばれているのです。
ただ、子どもはある程度の不快を感じることで刺激をうけながら発達します。完璧に不快要素を取ってしまうことはデメリットもあるということを踏まえながら、快適性を考えた素材選びをしましょう。
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不快感を取り除くためにどんな素材の子ども服を選ぶかが大事 |
具体的には、どんな素材がどんな快適さかを知ることが必要です。
運動をしてたくさん汗をかいたときは、吸水性の高い素材の衣服を着ることで、汗を素早く吸って体の熱を逃がし易くしたり、運動が停止した後は速乾性の素材に依り汗の蒸発によって下がった皮膚温を比較的速く上げることが快適さにつながります。これには、綿よりも速乾性・吸汗性の高いポリエステル素材が適しています。ただし、あまり汗をかかない状態からかき始めるくらいなら、綿素材のもののほうが吸湿性が高く快適なので、シチュエーションによって素材を使い分けるのが服選びのポイントです。
肌触りからみるとどうでしょう。赤ちゃんに着せる服は、やわらかくて肌触りのよいものを選ぶお母さんが多いと思いますが、最近の研究によると、確かに素材のやわらかさによって体に感じるストレスが変わることが分かっています。また、皮膚への刺激をおさえるために、なるべく刺激の少ないものを使って繊維加工をしている素材もありますので、子ども服を選ぶ基準の一つになるのではないでしょうか。
最近は抗菌グッズが話題ですが、繊維業界には20年ほど前から抗菌防臭素材を表すSEKマークがあります。汗は、そのものがにおうのではなく、体の外に出て細菌と反応し細菌が分解することでにおいます。つまり細菌がいなければにおわないのですが、細菌には悪い細菌の増殖や感染をおさえる働きがあるので、全てを殺してしまわないように管理しています。SEKマークが付いたものは、「におい」という不快を減らしてあげる素材ということになります(24カ月未満の乳幼児製品には使われていません)。
ここに挙げたのはほんの一部ですが、素材の特徴をよく知ることで子ども服の選び方も変わってくるのではないでしょうか。お子さんが気持ちよく活動し清潔を保つことができる、快適性を保つことができる素材を使った子ども服を選んであげてください。
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■衣服を着るのは、身を守り快適に過ごすため。
■快適性を考えたときに、どんな素材のものを着せてあげるかが子ども服を選ぶ ポイント。
■温熱的効果、吸水性・吸放湿性、動きやすさ、衛生を保つなど、衣服の役割は 大きい。
■素材の特徴を知り、特徴を生かした子ども服選びをしよう。
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