第52回
自然の中での遊びから、実際に体験し経験させることで生きる力を育て、広い視野でものを見られる子どもに育てましょう。
中野 充(なかの まこと)先生
新潟青陵大学看護福祉心理学部 福祉心理学科講師。経営学修士。

自然の中での遊びを家族で楽しみお子さんに自然の大切さを伝えよう
 最近、専門性を特化するあまりに視野が狭くなり、ものごとをトータルで見ることのできない人が増えているように思います。そのため教育も知識の切り売りになってしまい、自分の力で考えたり新しいことに挑戦したりする意欲の乏しいお子さんが多く見受けられます。
 今から25年くらい前の子どもの遊びを振り返ると、秘密基地づくりなど自然や生活に密着したものが盛んに行われていました。Learning by Doing(経験の中から学び取る)は、コミュニケーションスキルを育成し、社会ルールを学ぶことにもなっていました。
 私は、テレビゲームなど子どもたちの遊びの内容や質が大きく変わってきている現代だからこそ、お父さんお母さんが自然の中での遊びを楽しみ、お子さんと一緒にいろいろな体験をし、自然の大切さを伝えてほしいと思います。小さなことでも自然の中で風や水や土、火のことを知り、体験することは環境について学ぶことにもつながっていくのではないでしょうか。そこから地球の環境問題を考えることができる子どもが育つはずです。

体験活動に積極的に参加させてお子さんを本物の地球人に育てよう
 私は小さいお子さんにも、地域の活動に参加するなどの社会参加や、自然の中での体験学習などへの参加をお勧めします (市報などで案内をご覧になることもあると思います)。
 たとえば体験活動は「経験をし、仲間の中で指摘され、また分析し、それを目的や目標にして繰り返す」というサイクルで活動が行われます。グループでの活動も多く、企画書を書いたり提案をしたりすることもあります。きっといろいろな壁にもぶつかるでしょうし、自分にとっては不本意な指摘を受けることがあるかもしれません。しかし、それを乗り越えながら、新たなものに発展させていく力を身につけ、意欲的で自立できる人間に育っていくと考えられます。自然の中で体験活動や集団活動に取り組むことは、感性豊かな人間をつくる上で大切であると、ずいぶん前から言われてきました。学校でも総合学習などに取り入れられてきましたが、このような学びは教室や塾で知識を学ぶのとは違い、その成長がなかなか目には見えてこないものです。ぜひ長い目でその成長をとらえ、ときにはじっと待ちながら、お子さんが本物の地球人に育っていく過程を見守っていきましょう。それだけ子どもたちは可能性に満ちています。
 私が関わっているボーイスカウトという団体では、2015年に 「第23回世界スカウトジャンボリー(3万人規模)」という、世界で約2,800万人が参画する世界スカウト機構の大会が、日本(山口県)で開催されることになっています。日本だけでなく、世界の人々とキャンプ生活をとおして助け合い認め合う、そして文化の違いを超えて世界を学ぶ、子どもたちにとって素晴らしい大会になるのではないかと期待しています。


■子どもの視野を広げ、トータルでものを見られる人に育てよう。
■家族で自然の中での遊びを楽しみ、子どもに自然の大切さを伝えよう。
■実際に体験し、経験から学び取ることが大事。
■「グローカル」な人、すなわち本物の地球人を育てよう!



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