第46回
「人は違って当然」という考え方が基本。異文化を受け入れ、コミュニケーションをとれる子どもに育てましょう
関 久美子(せき くみこ)先生
新潟青陵大学短期大学部人間総合学科准教授。

「人は違って当然」という考え方が基本。異文化を受け入れ、コミュニケーションをとれる子どもに育てましょう
 今、私たちは多文化社会に生きています。それは外国人が多いということではなく、自分とは違う文化を持つ人々と一緒にいるということです。高齢者には高齢者の、障がい者には障がい者の文化があります。さらには男女、夫婦、友人や隣に座っている人にも文化があり、自分にとってそれは「異文化」であるかもしれません。
 そこで心配なのは、「人間はみな同じ」という考え方でコミュニケーションをとっていると、あるとき価値観や考え方の違いに驚き、相手を嫌いになったり否定してしまうことがあるということです。一緒に生きていくためには「人はみな違って当然」という考え方からスタートしなければなりません。自分とは違うからといって排除するのではなく、その文化を受け入れ理解した上で、自分と同じところを発見したり、分かり合えた喜びを見いだす。そんなコミュニケーションのとりかたが大切ではないでしょうか。
 では、子どもの中にある「異文化センス」を育て、自分と異なる文化を受け入れられるようにするには、どうしたらよいでしょう?

他者が違う文化をもっていることに気付き「面白い」と思えるようになってほしい
 小さな子どもが自分との違いを感じて不思議に思い、ネガティブな反応をするのは当然なことですし、初めから異文化を受け入れることを望んでも難しいでしょう。
 例えば、お子さんが障がいのある人を見て「変だ」「嫌だ」という発言をしたとき、お父さんお母さんは「そんなことを言ってはダメ!」と叱って黙らせるのではなく、その方たちとの「文化の違い」に気付かせてあげてください。その人が車いすを使っている理由や、上手に話せない理由を話し、優劣の見方ではなくて「違う文化を持っている人なんだよ」ということを伝えてほしいと思います。そして、子どもが自分との違いを受け入れ、「変だな」と思っていたことを「すごい」「面白い」と思えるようになってほしいのです。
 多文化社会のなかでコミュニケーションをとっていくには、どれだけ相手の立場にたてるかが重要です。「自分がやられて嫌なことは他人にしてはいけない」とか「自分がされてうれしいことは他人にもしてあげましょう」とよく言われますが、異文化コミュニケーションでは、これを「相手にとってうれしいことをしてあげる」と言い換えます。そのためには、コミュニケーションを何度も重ね、相手のことをたくさん知り、相手の文化規範の中でものごとを見ることがとても大切です。
 子どもの世界観は、そばにいる大人の世界観に大きく影響されます。ですから、まず大人が意識改革をし、他者の文化を受け入れ理解することが必要ですし、お子さんが自分の意見を持ち、それをきちんと言葉にしてコミュニケーションをとっていくためにも、お子さんの「どうして?」に、しっかりと理論付けて答えてあげてほしいと思います。親が普段から順序立てて話して聞かせていれば、お子さんも同じように話せるようになるのではないでしょうか。


■「人はみな違って当然」という考え方でコミュニ ケーションを。
■自分とは異なる文化を認め、受け入れ、理解することが大事。
■自分との違いは、その人の文化で面白い、という話をしよう。



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