 |
第42回
風邪のはやる季節。薬に頼りすぎてはいませんか?家族みんなで自然治癒力を高め、元気に暮らしましょう。
沼野 みえ子(ぬまの みえこ)先生
新潟青陵大学短期大学部幼児教育学科講師。
|
ウイルスだって生き延びようとする・・・薬に頼りすぎがウイルスを強くした? |
鳥同士でしかうつらなかったウイルスが人間にもうつるという「新型インフルエンザ」は、今まで人間があびたことがないウイルスなので抗体がなく、多くの人が死ぬのではないかと恐れられています。また「MRSA」は、本来なら抗生物質を使っていた人に耐性(※)ができて抗生物質が効かなくなった菌なのですが、抗生物質を使ったことがないような赤ちゃんにも見つかっています。その理由として、私たちが普段食べている鶏肉や豚肉などの食肉を大量に生産するために、その餌に抗生物質が混ぜられているからではないかと言われています。それをお母さんが食べているわけですから、母乳を飲ませた赤ちゃんにも影響が出てこないとは限りません。なぜこのようなことが起こっているのでしょう?
近ごろ極端に清潔志向に傾き、抗菌加工されていることが当たり前のようになってきています。本来は人間と共存していた微生物まで無くそうとする勢いです。こうなると細菌やウイルスも生き延びるために対策を考えます。それが突然変異で、本来人間に悪さをしないはずのウイルスに感染するようになってしまったのです。
私たちは、自分がもともと持っている力=自然治癒力を高める生活をして、むやみに薬に頼ることは改めた方がよいのではないでしょうか。しかし、これはあくまでもお医者さんと相談した上でということが大前提です。
|
悪さをしようとする細菌やウイルスに負けない、強い体をつくることが大事 |
例えば、お子さんが中耳炎になった場合、病院では薬が処方されます。お母さんは「薬をもらえば安心」かもしれませんが、その薬がなんなのか、きちんと説明を受けていますか? もらった薬が「抗生物質」だったら、これさえのんでおけば大丈夫、と思っていませんか? 中耳炎は細菌ではなくウイルスによってかかることもあります。抗生物質は細菌に効くものですので、中耳炎がなかなか治らないということが起きてくる可能性があります。細菌とウイルスは違うものなのです。
発熱にも理由があって、外から入ってきた菌と戦っている証拠です。徹底的に戦って、戦いを終わらせれば免疫がつくのですが、熱を無理に下げてしまうと中途半端で終わってしまうことになります。高熱が脳炎や髄膜炎を起こすこともありますので、お医者さんに診てもらうことは必要です。しかし、それほど高熱ではなく、他に心配な症状(顔色が悪い、ぐったりしている、呼吸が速い・弱い、目がうつろなど)がなければ、十分に水分を取り安静にして様子を見るという処置が、自然治癒力を高めることにつながると思います。もし病院で薬を出されたら、何の症状に効く薬で、いつまでのめばよいかなどを聞き、自分がのむ薬には、自分で責任を持ちたいですね。
お子さんの健康を維持していくためには、睡眠・食事で基礎体力をつけた上で、軽い日常的な病気にちょこちょこと感染し、薬に頼らず自力で治して免疫をつける。そのような積み重ねが自然治癒力を高め、健康な身体をつくることにつながります。そしてさらに大事なことは心の安静を保つこと、つまりストレスをためないことです。すべての病気はストレスが原因ともいわれているように、病気に対する抵抗力をつけるには、普段から親子関係を良好にし、リズムのある生活を心掛けてあげましょう。
(※耐性:細菌やウイルスが薬に対して抵抗力を持つようになり、薬が効かなくなること)
|
 |
 |
 |

■なるべく薬を使わず自然治癒力を高める生活を心がけましょう。
■薬をのむ場合には医師にきちんと相談して、説明を受けましょう。 素人判断でのんだりのまなかったりするのは危険です。
■親子関係を良好にし、リズムある生活で心の安静を。
|
 |
 |
|


|