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第41回
抱きしめて、手を握って…。親と子のコミュニケーションは直接肌が触れるところから始まります。
土永 典明(つちなが のりあき)先生
新潟青陵大学短期大学部人間総合学科教授。
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赤ちゃんが健やかに育つためにもお母さんとの皮膚接触が大事 |
人間以外の動物の親が生まれた子を入念に舐(な)めるのは、子を清潔にするためです。そして、それ以上に重要なのは、舐めることによって皮膚刺激を与えることで、生死にかかわるとても大切な機能なのだそうです。同じように、人間の赤ちゃん(出生から2歳くらいまでの乳児)は、お母さんとの皮膚接触によって精神的な安定を得ています。皮膚は体内と外界の状況をありのままに映すマジックミラーの役割をしていますので、ぜひ、赤ちゃんをたくさん抱っこしたり、愛撫したり、あやしたり、添い寝したりしてほしいですね。この時期は、親と子の肌が直接触れることこそが、コミュニケーションの中心なのです。
また子どもが幼いほど、その子どもに与える家族の影響は大きいものです。児童虐待などの相談をうけて調べてみると、虐待をされて育った子どもが大人になったときに、また虐待をするという、虐待の連鎖が起こっています。例えば、お母さんが感情的になって手を出したり頭を小突いたりすると、子どもはたたかれることが愛情と誤解してしまいます。虐待とは思わずに、愛情の裏返しというとらえ方をして成長してしまうのです。これが今大きな社会問題にもなっています。子どもの健やかな育ちの原点は家族にあるといえます。お子さんの手を握って、思いきり抱きしめて、その皮膚の感触を覚えさせてあげてください。
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子どもには、外に出て自然に触れながら遊ぶ環境が必要。地域ぐるみで子育てを |
触れる…という観点からみると、子どもたち(児童)の最近の遊び方が気になります。室内でテレビゲーム、もしくは一人か少人数での受動的な遊びが中心で、外で遊んでいる姿を見ることが少なくなってしまいました。子どもたちの生活の場、成長発達の場であるはずの地域社会の変貌にも影響されているのでしょう。急速な都市化で空き地はなくなり、塾通いが増えて遊び仲間も遊び時間も失っているのです。子どもにとって、遊びは発達のための栄養です。子ども自身が、直接土や草木に触って感触を知ることが必要ですし、そういう体験ができる環境を整えていくためには、家族だけでなく、地域全体で子どもを育てることが重要になってきます。
近隣関係の疎遠化が顕著になり、育児不安を抱えて心理的に孤立してしまうお母さんも多いようです。まず、子育てをするお母さんが悲しいときには泣き、楽しいときには笑えるような、精神的に安定できる場所をつくっておきましょう。ときには人に頼ることもいいのではないでしょうか。それは、おじいちゃんおばあちゃんかもしれませんし、近所に住むお年寄りや子育ての先輩かもしれません。お子さんにとっても、いろいろな人と接し多くのことを経験することで、心の中に社会性という種がまかれ、他人への思いやりや高齢者への慈しみの心が育っていくことでしょう。
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■乳児にとって、親とのコミュニケーションは皮膚接触。
■健やかに成長するためにも、手を握ったり抱きしめたりして、スキンシップを。
■遊びは子どもの発達のための栄養。できるだけ外で遊べる環境を つくろう。
■お母さんが精神的に安定できるような場所をもとう。
■さまざまな人との触れ合いが、子どもの社会性を築く。
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