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第38回
身近な人の最期に接することで、命の大切さを学びます お子さんに、親族を見送るプロセスを経験させましょう
中川 泉(なかがわ いずみ)先生
新潟青陵大学看護福祉心理学部 看護学科長、教授。認定看護師研修センター長。
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人の死は怖いものではない。あたたかい気持ちに見守られていくことを伝えたい |
今回は地域看護学を専門にしていることと、自らが両親の最期を看取った経験から、親族の死と子育てについてお話したいと思います。私は弟の妻と一緒に自宅で母を介護し、入院から亡くなるまで付き添いましたが、そのときにいつも小さな姪と甥がそばにいて、おばあちゃんの最期を一緒に見とどけました。お子さんを人の最期に立ち会わせるのをためらう方もいらっしゃいますが、命が少しずつ消えていくプロセスを家族が一緒に共有し、それをお子さんも経験することは、とても大切なことではないでしょうか。身近な人が突然変わってしまう怖さを感じるのが死だとしたら、とても残念なことです。ここで重要なのは、お子さんに人の死を怖いものと感じさせないこと。人は悲しみの中にもあたたかい気持ちに見守られて亡くなっていくということを経験させたいですね。
小さいころは、死の本当の意味を把握できないかもしれません。しかし、大人の私たちが泣いていると慰めようとしてくれましたし、子どもはみんなの悲しみも受け取ることができるのです。病室で心電図を一緒に見ながら、心臓の力が少しずつ弱くなっていくことを感じ、母が亡くなったとき「おばあちゃん、今、ぴゅっと天国に飛んで行ったね」と一緒に空を見上げたことを、私は忘れられません。
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介護に立ちあい、人の最期に接し死について実体験から知ることが大切 |
介護をしているときも、お子さんをその場から離すのではなく、介護されている祖父母との良い関係を大人がつくってあげることが必要です。たとえば、おばあちゃんが寝たきりで言葉を話せなくても、必ず「おはよう」と声をかけることを習慣にしたり、「おばあちゃん、喜んでいるね」とお子さんに話してあげてください。大人の仲介でコミュニケーションが取れるようになるはずです。
ただしお母さんが介護に手いっぱいになってしまうと、お子さんはそれを敏感に感じるものです。「母親にとっては子どもが第一」ということをはっきりしておかないと、お母さんは板ばさみになり、お子さんは「おばあちゃんにお母さんをとられた」と感じ、おばあちゃんとの関係も悪くしてしまいます。そういうときは介護を休んで、しばらくお子さんの気持ちに沿うようにしてあげてください。ときにはショートステイや訪問介護を利用したりして、家族だけの生活を守ることも必要です。「嫁の立場ではなかなか難しい」という声も聞こえてきそうですが、それは周囲の人も、社会も認めなければいけないことではないでしょうか。私は介護をしている人たちほど楽しむ時間が必要、そこからエネルギーをもらい、また優しい気持ちになって介護にあたることが大切だと思います。
死も生活の延長線上にあること、でも大切な人とお別れをするとても悲しいことだということを、お子さんが周囲の温かい輪の中で実体験から知ることが大切ではないでしょうか。大人の死生観をどのように子どもに伝えるか、日ごろ考えておいてもいいかもしれません。
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■子どもにとって、身近な人の死に接することは命の大切さを学ぶこと。
■死を怖がらせずに、あたたかい気持ちに見守られる最期を見せて。
■上手にコミュニケーションをとりながら、介護の場に子どもも立ち会わせよう。
■介護をするお母さんは、子どもが一番という気持ちを伝えることが大事。
■死が生活の延長にあることを、実体験から知ることが必要。
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