第37回
お母さんの元気がお子さんを元気にします 骨太な向き合い方で、おおらかな子育てをしましょう
押木 泉(おしき いずみ)先生
新潟青陵大学福祉心理学科教授。上越教育大学大学院学校教育研究科修士(教育学)。

お母さんが、心も体も健康でいきいきしていることが大切
 私は、人間の行動に「問題行動」など無いと思っています。子どもの行動には必ず何かしらのメッセージが込められていて、その表現が社会的に受け入れられるときは「良い子」というプラスの評価になりますが、たまたまそれが反(非)社会的な場合は「問題行動」とネガティブに受け止められてしまうのです。そして、子どもが存在している一番身近なシステムが親子であり家族ですから、いわゆる「問題行動」で表現される何かしらのメッセージは、この家族システムの機能不全などを訴えていることが多いようです。家族をおまんじゅうに例えてみると、世の中はストレスフルな社会であちこちからそれを押しつぶそうとします。家族というおまんじゅうは変形しながらも必死に耐え続けますが、耐えきれなくなったとき、破けてしまうのが皮の薄いところで、それが大方の場合、一番弱い存在の子どもだったり、お年寄りだったり、障がいをもった人だったりするのです。
 では、家族システムが健全に機能するために大事なことはなんでしょう。私は、お子さんにとってもっとも身近な存在であるお母さんが、元気で健康でいることだと思うのです。ここで言う、元気なお母さんというのは、単に母親としてだけでなく、妻として、一人の女性としての役割をはつらつと発揮しながら、生き生きと社会参加している女性のことですお母さんが心も体も健康で、お子さんにとって確かな存在であるときに子どもの「サインとしての救助信号」(問題行動)をしっかりと受け止めることができ、それがお子さんの元気と頑張りにつながるのではないでしょうか。

子育ては気持ちを楽に、広くもってお子さんと骨太な向き合い方を
 お母さんが大変で苦しいことはよくわかります。母子手帳を見ればお子さんの成長が気になるし、成績もある基準に到達してほしいという思いの中で、追い込まれてしまう…。ここで大切なのは、子どもはまだ未熟で未完成だということを忘れないことです。お母さんの中に「この子は、未知の可能性をもった尊敬に値する存在なんだ」という思いがしっかりとあれば、お母さん自身も心身ともに健康状態をキープできるのではないでしょうか。
 子育ては道に迷いながら進みますが、抜ける出口は必ずあって、子どもの方でちゃんと巣立ってくれるものです。だとしたら、もっと気持ちを楽に広くもって、お子さんの良いところを探しながら「もっと良くなれる」と、加点法で子育てを楽しみましょう。お子さんと骨太な向き合い方ができたときに、お母さんは笑顔になれるし、その笑顔がお子さんを元気にするのです。
 今、子どもの成長の過程で大事にしてあげたいのは、自己肯定感です。子どもたちからよく聞かれる「どうせ」という言葉は、見方を変えれば自己否定だと思います。 You are OK! つまり「あなたはあなたで良いところがある。頑張れそうだよ。」と伝えてあげるためにも、お母さん自身が自分の生き方に自信をもって、I am OK! と言える、元気な存在でいてください。


■子どものいわゆる「問題行動」にはメッセージが込められている。
■お母さんがいきいきとして元気なことが、子どもを元気にする。
■子どもは未熟で未完成。骨太な向き合い方で、おおらかに子育てを。
■You are OK! のメッセージを伝えるためには、お母さん自身がIam OK!
  であることが大事。



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