第29回
子育てにとって、笑顔や笑いは大切なエネルギー。親子でいろいろな体験をし、たくさん笑いましょう!
中野 啓明(なかの ひろあき)先生
新新潟青陵大学福祉心理学科教授。

親子が「協同」で何かをやりとげる そこに笑顔が生まれます
 私は子育てに一番大切なのは、笑顔や笑いだと思います。最近は、大人だけでなくイライラしたり疲れているお子さんが多いようですが、一日に一回は親も子も一緒に笑うこと、そして笑顔や笑いが絶えないことがとても大事なのではないでしょうか。では、笑いのある子育てをするにはどんなことが必要か、考えてみましょう。
 お子さんが小さい頃は、親子が「協同」で何かをやりとげること、楽しみながらいろいろな経験をつむことが大事です。キャンプやガーデニング、犬を育てるなど何でもいいですから、一緒にやることをお勧めします。たとえば実際に植物の世話をすることで、「葉が出てきた」とか「葉の表面がざらざらしている」など、単なる知識ではなく、気づきや実感を通しての知恵が育てられます。ペーパー上でいくら計算問題ができても、実際に買い物をする経験がないと、それは役に立たないことになってしまいます。豊かな体験のある子どもは道徳性もあるし、学力的にも高いというデータも出ています。知識量や学力の有無など目先のことに目がいきがちですが、ぜひ親子での協同体験をたくさんしてほしいと思います。

子どもにはワイルドな遊びも大切 少しのけがなら過敏にならずに見守って
 お子さんをかわいいと思うあまり、安全安心で簡単なほうを選び、親が事前に「それは危ない」と言い過ぎてはいませんか?
 子どもの世界では、ちょっと危険なところでドキドキしたり、難しいことにチャレンジしたりすることも必要です。私たちが子どものころは、よく木登りをして遊びましたが、木登りをすることで体をどう動かすか、どちらの足を掛けたらよいかを自然に覚えました。そういうワイルドな遊びがあっても良いのではないでしょうか。お子さんが保育所や幼稚園で少しケガをしても、あまり過敏に反応せず、「子どもにとってよい勉強になった」と思ってほしいものです。というのも、トラブルも大事な経験で、それをどのように解決していくかが成長のきっかけになるからです。最近はおもちゃもいろいろ用意することができますが、子どもは何もなくてもダンボール一つあれば、見立て遊びをしますし、何かを作ることに熱中します。お母さんはごみが増えて嫌かもしれませんけれど、子どものそういう遊ぶ力を引き出し、どう発達させていくかが大切だと思います。
 そして最後にお願いしたいのは、お子さんの前では絶対に悪口を言わないでほしいということです。学校、園、先生などに不満があっても、子どもにとっては大事な場所であり先生なのです。家庭で学校や園の話しをする場合は、最低限そのことを忘れないで話してほしいと思います。不平や悪口は、笑いには絶対に結びつきません。
 お父さんお母さんは仕事などで時間に追われているのはわかりますが、意図的にお子さんと一緒の時間をつくる努力をしてほしいと思います。それが笑いのあるくらしになり、お父さんお母さんにとっても子どもを育てる中で、大きなエネルギーになるのではないでしょうか。


■子育てには笑顔と笑いがとても大切。
■親子で一緒にいろいろな体験をしよう。
■ワイルドな遊びも小さなトラブルも、子どもには必要。
■不平や不満を子どもの前では口にしない。
■子どもと一緒にいる時間を楽しもう。



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