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第28回
お子さんを勇気づけるには、親子のコミュニケーションが大事。頑張っていることを認め、言葉かけをしましょう。
中村 悦子(なかむら えつこ)先生
新潟青陵大学看護学科教授。
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「こうなってほしい」という、親がもつ子どもの理想の姿が良い子どもでしょうか? |
「お母さんに質問です。お子さんの良いところはどんなところでしょう」とお聞きしても、なかなか答えが返ってこないことがあります。逆に「気になるところは?」という質問には「注意すると口答えをする」「時間を守らない」「勉強しないでパソコンに夢中・・・」など、いろいろ沢山の回答が寄せられます。特に思春期の子どもさんには、手をやかれている親御さんも多いようです。では、なぜ良いところが見つけられないのでしょう。お母さんがお子さんに対して「こうなって欲しい」という理想と現実のギャップばかりが気になり、その差をマイナスで見てしまうからです。
成績が優秀で、親や教師の言うとおりに行動してくれる子どもは良い子、良い生徒と思われがちですが、そういう子どもにも本当は不安や不満があるかもしれません。子どもは、親や教師の前で良い子でいるために精一杯頑張っているのだけれど、そこには中々目を向けてもらえず、結果に注目されることに、悶々としているかもしれません。自分らしさに自信をもてず、不適切な行動をしてしまう子どももいます。自分のありのままの姿を愛して欲しいのだけれど、大人の期待に挑み続け、良い子であり続けることに疲れてしまい、勇気をなくしてしまう。そんなところに、今の子どもたちが抱えている問題があるように思います。
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結果ではなく、頑張ったことに注目し、言葉をかけよう |
子どもを勇気づけるには、「子どものいいところ」に注目することです。それは、特別なことではありません。日常的な生活場面でよく経験することです。身近な例を見てみましょう。忙しく家事をしているときに、子どもが嫌々ながらでも手伝ってくれるときがあります。そんな時、どのように対応されていますか。手伝ってもらって当たり前と思っていませんか。或いは、手伝い方に不満をぶつけていませんか。「あなたのおかげで助かったわ。ありがとう」の言葉かけをつい忘れてしまいがちです。「ありがとう」で、子どももきっと照れながら、役に立つ喜びを感じているはずです。
一生懸命、子どものために作ったお母さんの手料理は、喜んで食べてくれるはずです。でも、嫌いな野菜などがあるとなかなか進みません。時間もかかり、残されるとチョットむっとして、「せっかくあなたのために作ったのに」「こんなに時間がかかって」と声を上げてしまう。これでは、子どもはおいしく食べられません。大切なのは、嫌いなものを一つでも食べてくれたら、その頑張りを認めてあげることです。子どもの方が気を使って、「もう少しピーマンが小さいと嬉しいのだけど・・」って、お母さんが頑張ったことをフォローしてくれる子どももいます。そうなのです。人は、頑張っていることを認められると嬉しいのです。そして、つぎに「頑張るぞー」っていう勇気が出てくるのです。
失敗すると、その失敗を問い詰めていませんか。人はそんなに完璧なのでしょうか。チャレンジとか失敗から学ぶことの大切さ、自分の失敗を受け入れることのできる勇気を持たせる声かけが大切です。「頑張ったのに、残念だったね」など、結果ではなく頑張ったことに注目してみましょう。「ありがとう」「うれしい」という言葉を子どもに返してください。「頑張っていることを見てくれている」そういった安心感が自信につながり自律につながります。勇気づけとはそういうことだと思います。
言葉かけでもう一つ大切なことは、「あなたのこういうところが間違っている」と言うのではなく、「私は・・・と、こう思う」と、経験や考えを自分のメッセージとして伝えることです。年齢に関係なくどんな子どもにも人格があるのですから、支配関係ではなく、できるだけ横の関係で接することが大切です。
これは親子に限ったことではありません。教師と生徒、夫婦、上司と部下、同僚同士でも、相手が頑張ってくれた過程を認めることが大切で、この勇気づけのコミュニケーションによって基本的な人間関係が作られていくのではないでしょうか。
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■親の理想とする子どもの姿と子どもの現実の姿とのギャップをマイナスに考えない。
■当たり前に感じることも、子どもの頑張りを認めてほめよう。
■「ありがとう」「うれしい」の言葉が子どもに勇気をあたえる。
■子どもの人格を認めよう。支配関係ではなく横の関係を大切に。
■勇気づけのコミュニケーションが良い人間関係をつくる。
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