第26回
大人も子どももストレスコントロールがとても大事 人にぶつけない、よい発散方法を身につけましょう。
越部 美穂(こしべ みほ)先生
新潟青陵大学短期大学部幼児教育学科准教授

ストレスやイライラとかかわる今日の子どものいじめ
 人間は、楽しいことや面白いことを求めて生活し、つまらないことや嫌なことは避けるか、避けられない場合は気晴らしをしたくなります。こんなとき、大人はスポーツや遊び、飲食、買い物、趣味などいろいろな方法でストレスを解消しますが、子どもの場合はどうでしょう。家庭や学校で制約された中で暮らしていると、ストレスやイライラが蓄積します。とくに楽しいことや面白いこと、熱中できることが見つからず、休み時間も十分に遊べないと、身近にいるクラスメートをからかったりいじめることによって、自分でも無意識のうちに楽しみを見出し、ストレスの解消をしていると考えられます。今日のいじめは、こうした子どものストレスやイライラと深くかかわりがあるのです。
 生活が充実し、したいことが山ほどある子どもは、いじめに関心を示しません。ところが、幼児期から親に与えられたものの中で育ってきている子どもは、自分が好きなことや打ち込むべきことがわからず、やることがなくなると、すぐにつまらなくなってしまうようです。子どもが好きなことを見つけるためにも、幼児のころから自分の意思で行動することを、大人は保障するべきではないでしょうか。

いじめない、いじめられない子育てのポイントは・・・
 子どもは親の行為を模倣するものですから、イライラしたときに子どもにストレスをぶつけたり、自尊心や人格を傷つけるような言葉を浴びせないように気をつけなければなりません。また、子どもが人をぶったりけったりするのを決して許さず、暴言を耳にしたり、ほかの子どもに指示命令しているのを見かけたときには、「自分が同じことをされたらどう思う?」とたずね、「自分が嫌なことは相手にしない」ということを、繰り返し教えていくことが必要です。
 子どもは成長過程でいくつもの葛藤を経験していきます。お子さんが悲しみや怒り、イライラした気持ちになったときには共感し、どうすれば気分を転換できるか、一緒に考え、さまざまな方法を実行してみるように励ましてください。もしもいじめているのを見つけたときは不安になるかもしれませんが、毅然とした態度で叱り、そのあとはフォローをし、お子さんの心に寄り添ってかわいがれば、親子関係がこじれることはありません。お子さんがいじめられたり困ったときに、親に何でも話せる雰囲気や関係を築いていくことも大切です。
 いじめは決して許してはいけない行為です。けれども、いじめられている子どもを守るだけでは不十分で、いじめる子どもが自己の欲求やストレスをコントロールする力を身につけなければ、第二、第三の犠牲者が出てしまいます。子どものかかえているストレスの根本的な原因を探ってストレスを軽減し、心のケアをすることが大切ではないでしょうか。


■いじめにつなげないために、子どものストレスの原因を見つけ、心のケアをしよう。
■好きなこと、楽しいことを自分で見つけられる子どもに育てよう。
■いじめは許さず、叱ったあとはフォローし、子どもの心に寄り添ってかわいがろう。
■いじめられたり困ったときに、何でも話せる親子関係を築こう。



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