第24回
幼児期は、自分の言葉で人とつながれるようになることが大切。一緒に楽しく遊びながら、お子さんの成長を見守っていきましょう。
加藤 由美子(かとう ゆみこ)先生
新潟青陵幼稚園園長

人とつながるための話し言葉 大人は心で語りかけよう
 お子さんに「早く習い事をさせたい」と考えているお母さん、お父さんが多いようですね。でも、幼児期に必要なのは、文字が書けることよりも話し言葉ができあがることだと思います。自分の気持ちを言葉に出して相手に伝え、言葉を聞いてその人の気持ちをわかる、それができないうちは文字の世界に入って書けるようになったとしても、自分の気持ちを表すまでに至らないのではないでしょうか。言葉を通して人と人とのつながりを持てるようになれば、きっと楽しくて、どんどん自主的に学ぼうとするでしょう。「文字って便利だね、気持ちをお手紙にして出せるんだね」という喜びもあると思います。最近は、この学ぶ喜びが欠けているのではないかとも思いますね。
 新潟青陵幼稚園では、テレビもビデオもマイクも使いません。大勢の園児の前でも生の声で伝わるものです。「静かにしなさい、聞きなさい」なんて言わなくても、われわれが小さい声で話しかけると、耳をそば立てて聞こうとするからです。大きな声をあげたり、CDの大きな音をがんがん鳴らしている毎日では、子どもは静かな人の声に反応しようとしなくなります。私たち大人は子どもにとって大切な言葉だからこそ、心で語りかけるようにしたいですね。

いろいろな自然のものを使って想像力を引き出しながら遊ぼう
 幼児にとって遊びはとても大切です。そこで遊び方ですが、大人が誘導するのではなく、できるだけお子さんにやりたいことを選ばせて、その遊びをしてほしいと思います。活動の一つ一つを自分が選び思いを入れることで、意志のもとになる意欲や主体性を育てることにつながっていきます。そして遊びのなかに、自然のものを取り入れることをお勧めしたいですね。どんぐりなどの木の実や小豆、貝殻や流木など、なんでもいいのです。売られているおもちゃはプラスチックで本物そっくりに作られているために、それを違うものに見立てようと思ってもなかなか難しく、たくさんのおもちゃが必要になってしまいます。自然のものは想像のしかたでいろいろなものに代わってくれるので、飽きないですよね。子どもの想像力、見立てるという能力を、ぜひ引き出し育てていただきたいのです。
 苦手なお片づけも楽しくする方法があります。テーブルや畳の真ん中に使ったものを全部集めて、「これはこのかごへ」「これはこの箱へ」「じゃあ私はこのおもちゃの係」というように、お母さんも一緒に分類遊びをしてみてください。全部を同じところに放り込んでしまうのは簡単ですが、お片づけではなくて集めただけになってしまいます。時間をたっぷりととって、ゆっくり片付けてください。
 幼児期は意欲や感情、感性など、目に見えない根っこの部分が成長するときです。しっかり根をはって、将来大きな幹になって枝を広げたときに、どんな知識がきても吸収できるし、いろいろなお友達とも関係をつくることができる。そんな大きな木になってほしいと願いながら子どもの成長を見守りたいと思います。


■言葉を使い、人とつながりをもつようになるのが幼児期。大人も言葉を大切に。
■子どもの自主性を尊重し、子どもがしたい遊びをしよう。
■自然のものに触れながら、遊びをとおして想像力を引き出そう。
■分類遊びにして、みんなで楽しくお片づけを。



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