第22回
リビングルームは、家族が集まり子どもと過ごす大切な場所 上手に利用して、楽しく子育てをしていきましょう
今井悦子(いまい えつこ)先生
新潟青陵大学短期大学部人間総合学科准教授

子育ても仕事も家事も…だからリビングルームにこだわって
 最近の若いご夫婦はお互いに協力しあい、男性も家事や子育てを普通にしているようですね。とても良いことだと思います。私が子育てをしていたころは、妻が外で働いていたとしても、家事や子育ては女性の仕事、夫は参加しないという古い日本的な考え方が残っていました。わが家も同様でしたが、そんな中、自分たちの家を持つことになり、住居について学んでいたこともあって、自分が勉強をしたことを生かしてみようと思いました。私が設計士に出した要望は、部屋を一つ一つ区切るのではなく、オープンキッチンとダイニングルームが一つにまとまった20畳ほどのリビングルームをつくりたいということ。そのようなオープンスペースは今では当たり前になりましたが、当時はまだ目新しく、あまり見かけなかったと記憶しています。
 私にとって、この形のリビングルームをつくることは、外で働きながら家事と3人の子育てをしていくための体制を整えること。仕事から帰って、短い時間で料理などの家事をしながら子どもと触れ合うわけですから、とにかく合理的な形にという思いがありました。あれから27年経ちましたが、今でも居心地が良く、とても気に入っています。

家族みんなが集まる場所で一緒にできる、何かを見つけよう
 家を建てたころ、子どもたちは3歳と6歳と9歳。ほとんどリビングルームで過ごしていましたから、家事をしながらでも様子を見ることができました。それに、夕食後、週に2、3回はダイニングテーブルで子どもたちとパンづくりをしました。粉をこねたり、生地をテーブルに投げあったりして楽しかったし、翌朝食べる焼きたてのパンはとてもおいしかったです。私にとって、子育ての一番の思い出になりました。また、下の子はいつも絵本を読んで聞かせていたら、本がとても好きな子になりましたね。忙しい毎日でしたが、自分がこうしたいと思ったことを続けていけたのは、リビングルームのおかげかもしれません。
 子どもも大きくなってくると、自分の部屋にいる時間が長くなってきますが、食事のときには必ずみんなが集まってくる。みんなと顔を合わせ、会話もできます。そういう意味でもリビングルームは家族を形成し子どもを育てていく上で、とても大切な場所だと思います。最近はリビングルームの中に階段があって、外から帰ってきても家族の顔を見てから2階にあがるようになっていたり、吹き抜けで2階にいても下にいる子どもの様子をみることができるなど、立体的な設計でいろいろな工夫がされていますね。そこで大事なのは、小さいスペースでもいいから家族みんなが集える場所であること。そして、ただくつろいだりテレビを見るだけでなく、お料理をしたり絵を描いたり、ピアノを弾いて音楽を楽しんだり、みんなで共通の何かをして過ごしてみるのもいいのではないでしょうか。家族が健康で楽しく暮らすということを基本において、リビングルームの使い方を考えてみてください。


■家族が集まるリビングルームは子どもを育てていくうえで、とても大切な場所。
■暮らし方にあわせたリビングルームのデザインを考えよう。
■同じ空間で、子どもと一緒にみんなで共通の何かを体験しよう。
■子育てに、リビングルームを上手に利用しよう。



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