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第21回
家族どうしで支えあう「サザエさん」は理想の家族。だけど核家族化した現代では、隣近所や公の機関もお母さんの大きな支えです。
吉川 明守(よしかわ あきもり)先生
新潟青陵大学短期大学部幼児教育学科教授。
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家族どうしで支えあうことは子育て中のお母さんにとって理想だけど… |
なぜ「サザエさん」が長い間支持されているのかを考えたときに、私たちの家族のありかたや日常に結びつけることができます。「サザエさん」は、波平さん(父)とフネさん(母)、サザエさん、カツオ君、ワカメちゃん、そしてサザエさんの夫マスオさんと子どものタラオちゃんという家族構成で、伊佐坂先生夫婦をはじめ近所付き合いがあり、ノリスケさん家族との親せき付き合いもある、そういう中で展開するストーリーです。家には居間があって家族全員が食事をしているイメージ……そこには日本人が考える理想の父親と母親がいて、嫁・姑間で起こりがちな争いごともない。どうやら、日本人、とくに団塊の世代が考える家族の理想像が、「サザエさん」の中にはあるようです。
ただし、現実には女性は家から出て仕事もし、社会貢献していくことが大きな役割にもなっています。人間は歳をとり介護も必要になってきます。育児をしていくうえでのストレスは当然あるでしょうし、ほとんどが核家族で単身世帯も増えてきている現代では、「サザエさん」のような支えあえる家族の代わりになるものが、家の外にも必要になってきているのです。
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悩みを聞いてくれるフネさんの代わり マザーリング・マザーの存在が必要 |
新潟県でも「新潟県次世代育成支援行動計画」が策定され、子育て支援の方法としては、自助(自分たち家族で)、共助(地域で支援)、公助(公で支援)というスローガンが掲げられています。児童福祉法も改正され、各地域に子育て支援センターなどをつくって親御さんの悩みに応える仕組み作りも始まりました。ただし大切なのは施設がいくつできるかよりも、その中身です。まったく知らない人がサザエさんのお父さんやお母さんの役割を担えるかというと、なかなか難しいのではないでしょうか。
いろいろな研究をみると、隣近所の方が子育て中のお母さんの話し相手や悩みの相談相手になってあげる、つまりフネさんの役割を担う「マザーリング・マザー」の存在が、問題解決につながっているようです。また地域には民生委員(児童委員も兼ねています)という方々がいて、とても重要な働きをしていることを知っていてほしいと思います。民生委員は、困っている方がいるという情報をキャッチし、どんなことで困っているのかを把握し、児童相談所や福祉事務所等が行う公的サービスにつなげていく役割を担っています。
お母さん、お父さんたちのコミュニティの中での結びつきは子育て中の方にとって大きな支えになります。そのような輪の中になかなか入っていけない人もいますので、公民館などで行われているサークル活動などに声を掛け合いながら一緒に出かけてほしいと思います。きっと悩みを解消できることがあると思います。そのようなつながりが、理想の家族「サザエさん」に代わるような子育て社会を築いていくことにつながっていくのではないでしょうか。
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■「サザエさん」の家族構成がままならない現代は、社会からの支えが必要。
■子育て中のお母さんを支えるマザーリング・マザーを地域に。
■民生委員の役割を理解しておこう。
■子育て世帯同士のお付き合いを大切に。
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