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第20回

佐藤 朗子(さとうあきこ)先生
新潟青陵大学福祉心理学科教授。
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「家族の『解体』はいけませんか?」が、今回のテーマです。「えっ、ありえない!」というお母さんの気持ちはわかりますが、親子の距離をおいたほうがよいと思われる時もあるのです。そんな親子の関係について、新潟青陵大学福祉心理学科教授の佐藤朗子先生にお話しをお聞きしました。
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「家族絶対感」の風潮が強すぎる社会でも親子関係が苦しいと感じることも… |
子育てに休憩はなく、24時間、365日、親は親でなければなりません。お父さんお母さんは、たいへんな仕事を毎日丁寧に積み重ねていらっしゃいます。本当に尊いことです。ただ今回お話ししたいのは、そうした個々の親御さんの努力とは別の話しです。今、社会では、「家庭の教育力」とか、「親の愛情があれば」という「家族絶対感」のような風潮が強すぎるのではないかと思うのです。愛情、というのは難しいものです。それがどんなものか、本当は誰も知りませんし、形もなければ、作り方があるわけでもありません。
近しい人間関係では、感情が生まれます。会社の人間関係だってそうですよね。心地よい感情、あるいは不快な、身勝手な、さまざまな感情が生まれます。ところが不思議なことに、親子の間に生まれた感情には自動的に「愛情」というラベルが貼られてしまうようです。愛情が苦しいはずはないですよね。すると、親子なのに苦しいという時は、どうしたらいいでしょう。親子関係が苦しいと感じてしまう子どもは、恩知らずで非情な子どもでしょうか。そして、親子関係が苦しいと感じてしまう親は、愛のない、非情な親なのでしょうか。家族は本来、人にとって大切な関係のひとつです。けれども、こうした極めて近しい、他からの影響の入り込みにくい人間関係では、人の未熟な面が出やすいことも事実です。
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子ども世代を育てる大人としてネットワークをつくれたらいい |
映画『千と千尋の神隠し』の中での千尋の台詞に、「あの人は湯屋にいるからいけないんだ、離れたほうがいいんだ」というようなものがありました。それに似て、「『家族』の中にいるからいけないんだ、離れたほうがいいんだよ」みたいなことも、時にはあるのではないでしょうか。密室状態でずっと絡まりあっていたら苦しくなることもあるのに、親子関係だけにそれがないのはおかしいです。そんな時はやはり、しがみつくのをやめるしかないと思うのです。それは親の側だけではありません。子どもにも、親からは絶対にいつもかわいがられていたいという「こだわり」がありますから。
親子の愛は絶対で、距離をとってみたいと思うのは悪いことで不幸なことという、そういう感覚を変えていけたらと思います。そして、子どもが親と距離をもったときの行き場所として、親御さん以外の大人と関われる場所が、もっともっとあったらいい。大人の側も、自分の家の子どもの親というだけでなく、社会で子ども世代を育てる大人として、子どもを受け止めるネットワークがつくれたらいいと思います。
血がつながっているとか遺伝子を共有しているとか、それだけで即、愛情や良い関係が築かれるというのは幻想だと思います。決して家族愛そのものが幻想だと言っているのではありません。親子も家族も人と人との関わり合いですから、解体もあれば、もちろん再構築もあるのではないでしょうか。
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■近しい関係だからこそ、親子では人の未熟な面が出ることもある。
■親子関係が苦しいと感じてしまったら、距離をもってみよう。
■親と距離をおいた子どもの行き場所はたくさん必要。
■子ども世代を育てる大人として、子どもを受け入れよう。
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