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第19回

碓井 真史(うすい まふみ)先生
新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授、心理学博士。
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お母さん、お父さんにとって、お子さんの入園はとても楽しみです。しかし反面、生まれてからずっと一緒に過ごし育ててきたわが子が新しい社会に入っていくことに、不安やさびしさも感じているのではないでしょうか。今回は、子どもの自立にどのように向きあったらよいか、新潟青陵大学大学院教授の碓井真史先生にお話しをお聞きしました。
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子どもの自立。どんな接し方も気持ちが届いていなければ… |
お母さんは、保育園や幼稚園への入園で、お子さんの自立を初めて体験します。そこで新しい社会に入っていく子どもに対して、お母さんが不安定になってしまうことがあるようです。たとえば、ちょっと泣いただけなのに「かわいそう、大丈夫」と抱きしめ、でも、このままずっと離れられなかったらどうしようと不安になる。逆に「うちの子は社会性がないのではないか」と、いきなり集団の中に突き放してしまう。どちらも子どもを思う気持ちで一生懸命ですが、なかなかうまくはいきません。また、子どもが園から帰って家で甘えてきたときに「もう幼稚園に入っているのに、おかしいのでは?」と考えたり、「かたづけが園ではできるのに家ではできない」と責めるお母さんもいますが、ちょっと考えてみてください。いくら楽しそうでも、子どもは園でがんばっているし不安なのです。家で抱きしめられることでエネルギーをもらい、また園でがんばれるのではないでしょうか。
子どもになにか問題が起きたときに「お母さんの愛情不足では?」などと言われることがありますが、少なくとも私は、子育てについて相談に来たり記事を読んだり、情報を得ようとする人に愛情不足の人はいないと思います。ただ、その気持ちが空回りしていて、結局は子どもに伝わっていないのではないでしょうか。本当は抱きしめてもらいたいのに「一人でやれ」と言われても、あるいは自分が一人で冒険したいのに「危ない」と押さえつけられ「これがお母さんの愛情よ」と言われても、子どもには通じません。そこでいろいろな問題行動が起こることがあるのであって、お母さんの愛情不足ではないのです。
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赤ちゃんが生まれたときの、あの幸福感を忘れないで |
「あなたのことが世界で一番好きだよ」という親の愛を土台にして「この安全基地なら絶対に守ってもらえる!」という安心感があるからこそ、子どもは自立できるのだと思います。勉強や運動ができようができまいが、「うちの子どもが世界一」という親の思いが子どもを支え、子どもから見れば、親であるあなたこそが世界一のお母さん、世界一のお父さんなのです。たとえ運動会で最下位でも「一番がんばった」と言ってもらえる、そこで子どもは楽しさを感じ、意欲につなげ、個性を伸ばすこともできるのではないでしょうか。ときには失敗やケガをしたり、悔しさとか恥ずかしさ、悲しさなどを経験しながら強くなるのですから、園での多少のトラブルに対しては、「それくらいあるよね」という心の余裕を持ってほしいですね。そして、将来、競争社会に出ていくためにも、この時期こそ「あなたが一番」と繰り返しほめてあげましょう。
子育てのポイントは、子育てに幸福感を感じることだと思います。お子さんが生まれたときの「この子の親になれてよかった」というあの気持ち、幸福感を忘れないで持っていること、そのゆとりとか安心感が大切なのではないでしょうか。
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■どんな接し方も、子どもに気持ちが届いていなければ自立にはむすびつか ない。
■「うちの子どもが世界で一番」という親の思いが子どもを支える。
■成長には多少のトラブルやケガも必要。
■ゆとりや安心感をもって子育てを。そのためにも親であることの幸福感を 忘れないで。
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