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第11回

押木 泉(おしき いずみ)先生
新潟青陵大学福祉心理学科教授。
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お子さんがお母さんに聞いてもらいたいことはなに? |
子どもの問題行動にはいろいろなタイプがありますが、それらのベースにあるのはみんな一緒で、子どもたちは心のSOSを、彼らに合った形で一生懸命に表現してくれているのです。私たちはできるだけ早くそれに気づいて、「そうだよね、苦しかったんだよね」とふり返ってあげたい。そのためにもお子さんとの会話は大切です。
お母さんにうかがうと、たいがい「子どもの話を聞いています」とおっしゃいますが、それは「テストはどうだった? 宿題はすんだ?」等々、こちら側が聞きたいことの確認だったりします。本当にお子さんが聞いてほしいことは別にないでしょうか。たとえばポケットの中にある秘密のこと、それを伝えられて一緒に共有できたことが、子どもにとっては聞いてもらえたことになるのです。
もう一つ大事なのは、バーチャルではなく実際に行動をともにする、関わっていくことです。親子のやりとりをメールでしたり、家族別々に食事をするという話を最近よく聞きますが、関係性が希薄になってきていますね。子どもがテレビゲームに夢中になり孤独になってきていると言われていますが、実は逆で、子どもたちはどこかで本物の関係を求めているのではないでしょうか。
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自分のお子さんを育てているお母さんこそが専門家です |
子どもが心の中に不安や苦しさを抱えてしまう背景には、大人が決めた価値観(子どもにとっては「外的基準」)を、子どもの「内的基準」に押し付けすぎていることがあります。子どもたちは、そのギャップにとまどっているのです。ですから、何か問題を起こした子どもを一方的に環境に適応させようとするのではなく、私たち大人が彼らに歩み寄っていくことが大切です。
もしもお子さんが問題行動という形で心のSOSを発信したとしても、それは「良くなるチャンス」なのですからお母さんは自分の子育てを決して否定しないでください。365日子育てをしてきたお母さんこそが、お子さんに関するスペシャリストなのです。相談所や学校に相談することはネガティブな行動のように捉えがちですが、そんなことはありません。お母さんが持っていない専門性とリンクし利用しながら、子どものつながりを広げて支えていく、お母さんはコーディネーターになるのです。
子どもたちにどんなお母さんを望んでいるか聞いてみると、「きれいなお母さん」だそうです。彼らの言う「きれい」とは、心はつらつとしていて自分の存在に自信を持っているということ。明日に向かって一緒に二人三脚をしてくれる、そういうお母さんと一緒に歩きたいと思っていることを忘れないでいましょう。
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■子どもの問題行動は不安や苦しさを大人に訴える
「心の救助信号」。
■聞きだそうとするのではなく、子どもの語る話に耳を傾け、
じっくりと向き合おう。
■実体験を通して関係性の拡大を。
■自分の子どもの一番の専門家はお母さん。自信を持って
子育てを。
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