第7回

岩崎 保之(いわさき やすゆき)先生
新潟青陵大学看護学科講師。専門は教育学。

「自分にもできる」という気持ちを持たせることが大切
 「自己効力感」とは、自分自身の可能性を信じられること。国際的な調査の結果をみると、西洋の子どもたちに比べて日本や東アジアには、この自己効力感を持てない子どもがとても多いことがわかっています。成績の良しあしに関係なく、勉強を楽しいと思えない、勉強をやってもできないと思っている子どもが多いのです。これは現代の日本の教育にとって大きな課題の一つ。最近問題になっている引きこもりやニートなども、この自己効力感がうまく醸成されていないことが原因の一つになっているのではないかという見方もあります。
 では、親として、子どもに「やる気」や「自分にもできる」という自己効力感を持たせるにはどうしたらよいのでしょう。
 大切なのが乳幼児期です。この時期は子どものあるがままを受け入れてあげることが重要で、自分はかけがえのない存在なのだと認識することで、自己効力感につながる最初の自尊感情を得ることになります。次に、友だちなど家族以外の人々とのかかわりの中であるがままの自分を表現し、「〇〇ちゃんてすごいね」と認めてもらうことによって、自己肯定感がはぐくまれていくのです。

通知表を仲立ちにして親子でコミュニケーションを
 学期末に通知表が渡されますが、それを見て、あなたはお子さんにどう声をかけるでしょう。ぱーっと見て前学期と比べ、丸を数えて担任の所見を読み、「がんばったね」とか「がんばりなさい」と声をかける……それだけになってはいませんか? 実はこの通知表は結果を見るだけのものではなく、やる気を持たせる大切なツールになるのです。そのためにも、通知表から出てくるメッセージを親子で解読してほしい。たとえば「成績が上がったのは何をがんばったからかな?」とか、逆に下がっていても、ただ注意するのではなく「どうやったらいいかな?」と子どもに聞いてみてください。このように子どもに考えさせ、言わせることが、具体的で身近な目当てを立てることになり、「自分にもやれる」という自己効力感をはぐくむことにつながります。ぜひ通知表を仲立ちにして親子でコミュニケートしてほしいと思います。また、1年間に子どもが作った作品などで、よくできたものをファイルし、ポートフォリオをつくるのも良いでしょう。作品完成までのプロセスを子どもに聞いて、認めてあげることで、子どもの次へのステップの礎になります。子どもの学びを結果だけでなく、多面的に評価してあげることが大切ではないでしょうか。


■やればできるという自己効力感を持たせることが大事。
■乳幼児期は子どものあるがままを受け入れよう。
■親子で通知表を解読し、やる気にむすびつけよう。
■1年間の作品をまとめ、新学期へのステップにしよう。



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