第1回

間藤 侑(まとう すすむ)先生
新潟青陵大学教授。心理カウンセラー。

情報収集で不安を解消
世の中知らないことだらけの幼児には、未来なんて想像できません。期待もなければ不安もない、いつもぶっつけ本番。それが本来の自然の姿です。先の不安なんて大人が感じるだけですが、子どもはその雰囲気を鋭く感じ取って不安になるのです。未知のことへの興味や希望を語る大人が傍らにいれば、子どもは目を輝かせて先を目指すでしょう。不安ばかり先取りせず、しかし子どもの歩もうとする昔よりは確かに危険だらけの道を、しっかりと具体的に守ることこそ大人の役割です。子どもは情報の運び手。子どもが園や学校から持ち帰る彼らの体験した親の知らない物語を、わくわくして待ってみてはどうでしょうか。それが親の不安解消の妙薬にもなるはずです。
情報が多くあるほど人の不安は消えます。大人も子どもも違いません。人間関係を築くことなどばかりに気を使わずに、例えば親子で家から園や学校までの地図を作るなども不安解消に有効です。そういう小道具が、時には人間関係を作る情報交換のきっかとしてもとても役立ちます。引っ越してきた方に特にお勧め。アッシュに載る街や料理の話でも、何でも小道具 に仕立てましょう。

子どもの話はよく「聴いて」
カウンセリングの基本は「傾聴」と漢字で書かれる姿勢です。これは「心を傾けて聴く」こ とを意味し、子どもと向き合うのが仕事の大人(つまり親や先生)にも当てはまります。小さい子どもは言葉の使い方が未熟なので、けんかした話はしても、その後仲直りして遊んだことなど言わないかもしれません。でもそのまま聴いていると、最初言わなかったこともふっと出てきます。「はやくしなさい」「寝なさい」などの命令・伝達の短い言葉だけでなく、家族同士でさまざまな会話を楽しむことが、子どもの言葉と心を育てます。その輪を広げる工夫も大人同士の大切な役割ですね。
新しい環境の中で、子どもはさまざまな体験に出合いながらどんどん変わっていきます。苦しいことも楽しいことも分別無用。長い目で見たらどれも捨てるゴミにはなりません。ただし表情や話の仕方に気になる変化が表れたら、注意して静かに見守り、対応を考えることも大事です。


■大人の不安が子どもを不安にする。
■情報収集のために地図を作ろう。それは心の地図にもなる
■子どもの話を心から興味を持って「聴く」。
■伝達・命令よりも普段の会話を大切に。
■目先のことだけでなく長いスパンで見守ろう。



 バックナンバー













取材こぼれ話

ご意見等お寄せください。

戻る