まったり温泉宿


くつろぎの形、それぞれ。21世紀の旅籠(はたご)スタイル

 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」。あまりにも有名なこの一節によって、広く世に知られた越後湯沢温泉。湯気が立ちのぼる温泉街には15軒の宿が並び、年間120万人の観光客が訪れる。関東圏の手軽なリゾート地としても親しまれる温泉地だ。
 湯沢駅の真ん前にくつろぎの場所を広げるのが、ここ「HATAGO 井仙」。美肌の湯をぜいたくにかけ流すこだわりの宿だが、昨年秋にリニューアルしてより女性好みの空間に。6つのテーマに分かれた16種類の客室はすべて趣が異なり、露天風呂付きの一室やマッサージチェアを置いた部屋など、それぞれが個性にあふれていて楽しい。またカフェやショップといった、宿泊者以外も利用できるおしゃれなパブリックスペースが充実。「魚沼キュイジーヌ」をテーマにした食事処も同様で、八海山のふもとで育った川マスや滋味あふれる季節の野菜など、地元素材にこだわった新感覚の郷土料理が気軽に堪能できる。さて、面白いのは“一泊朝食付”がベースの料金設定。そこに夕食としてこのコース料理をプラスするのが主流だが、それは旅の形に沿って。到着が遅ければ夜食を部屋に届けてくれたりと、女性のわがままにもスマートに応える、それが進化した今の旅籠スタイルなのだ。

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  • たっぷりの湯は美肌のもと。贅沢なかけ流しでその効能をとことん実感できる。日によって男女が入れ替わる開放的なこの湯屋のほか、貸し切り風呂もあり
  • 客室同様、手洗い器はすべてデザインの違う陶器を使用
  • ショップ内にあるカフェ「水屋」。黒胡麻プリン(400円)や魚沼きなこちまき(450円)といった多彩な和のスイーツが、温泉水を使ったコーヒー(ホット400円、アイス600円)とともに楽しめる
  • くつろぎに満ちた客室はそれぞれ個性的
  • 食事は魚沼キュイジーヌを楽しませる空間「むらんごっつぉ」にて、このコース料理(5,250円)をぜひ。川マスや越後もち豚、地元の高原野菜たっぷりのスローフードは、利き酒師に相談しながら多彩な地酒とともに堪能したい
南魚沼市湯沢町大字湯沢2455
TEL.025(784)3361 / http://www.isen.co.jp/

温泉ソムリエコメント
湯沢温泉は「弱アルカリ性単純温泉」という泉質で美肌の湯。その温泉を源泉かけ流しで提供することにこだわっている宿。昨年10月にリニューアルし、女性にもそのこだわりが伝わる宿に変身!


広い大岩石風呂や混浴の露天風呂でリフレッシュ

 関越自動車道小出ICから車で15分。上越新幹線浦佐駅からも30分で到着する大湯温泉。高僧が岩を杖で一突きしたところから湯が湧き出したという伝説を持ち、江戸時代は宿場として、明治以降は湯治場として栄えた長い歴史を持つ山里のいで湯だ。
 奥只見の残雪と新緑の美しいコントラストに目を奪われながら宿へ。独自の源泉から58度の効能豊かな湯がこんこんと湧き出るホテル湯元は、一度に100人以上が入浴できるという「大岩石風呂」が自慢。もうひとつの大浴場「錫杖(しゃくじょう)の湯」とは深夜に入れ替えになるため、1泊すればどちらも楽しめる。
 ユニークなのは、男性露天風呂「仙境」と女性露天風呂「玉ゆら」の間にある出会いの湯「陽炎」だ。男性側からはそのまま、女性側からは鍵のかかる木戸を抜けて入れ、夫婦やカップルに好評だという。何度入っても飽きのこない、体に優しい湯だ。湯上がり処「湯話味庵」では、お茶や天然水のサービス。タラの芽の葉茶、ドクダミ茶、そば茶など体にいいお茶も季節ごとに出てくるという。
 ここは日本一の食味と評判の魚沼コシヒカリの産地。朝食は1人前ずつ釜だきで供される。これからの季節は山菜料理がメーン。宿の周辺に自生する山菜は、浴衣姿で散歩に出かけてもあちらこちらで見ることができる。ふきのとう、たらのめ、うど、こしあぶら、木の芽、ぜんまいにわらびと、滋味豊かな里の風味を楽しもう。

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  • 女性大浴場「錫杖の湯」には高貴なお坊さんの立像も
  • 一度に100人以上が入浴できる男性大浴場「大岩石風呂」。奥には薬草風呂もある
  • 出会いの湯「陽炎」は、自然の中の混浴が楽しめる
  • いろりのある湯上がり処「湯話味庵」
  • ホテル湯元オリジナル「あまんだれ汁」の缶詰はお土産にぴったり
魚沼市大湯温泉300
TEL.025(795)2221 / http://www.yumoto.co.jp/
立ち寄り湯は大人1,000円、子ども500円。11時30分から18時30分まで。食事つきプランもあり。

温泉ソムリエコメント
大湯温泉は刺激が小さく肌にやさしい単純温泉で、肌の弱い女性も安心!その大湯温泉にあって代表的な宿。大浴場の大きさには圧倒される!


好みの部屋を選んで予約したい

 ホテル湯元とは清流佐梨川を挟んで建つ友家ホテルには、素朴な外観からは想像できない、おしゃれな部屋がある。パステルカラーのソファがある301号室、北欧の家具が置かれた302号室、籐のソファでくつろげる303号室は、温泉宿とは思えないモダンな香り。この3部屋は別館にあり、本館の客室「睡蓮」はベランダつき。好みの部屋を予約しよう。
 こちらは料理の宿としても知られ、山菜や地のものを使った料理には定評がある。郷土料理であるのっぺ、真っ白な蓮根豆腐は女性に人気。おしゃれなレストランで使われるような洋食器も積極的に取り入れており、緑濃い山里にいることを忘れてしまいそうだ。
 そしてお風呂も個性的。重厚な銘石庭園風呂、木の香あふれる新龍神の湯、レトロな扇風呂、川面にせり出したウッドデッキで入浴しているような貸し切り露天風呂と、部屋数16の宿に趣の違った湯が4つある。
 湯上がり処や脱衣所には本棚が置かれ、温泉卓球やビリヤードも楽しめる。探検気分で館内を散策してみたい。

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  • 部屋で供される夕食の一例。器も凝っている
  • モダンな和の空間が心地よい客室
  • 川風がさわやかな貸し切り露天風呂
  • 昨年4月に完成した新龍神の湯
魚沼市大湯温泉282
TEL.025(795)2111 / http://www5.ocn.ne.jp/~tomoya-h/

温泉ソムリエコメント
リニューアルにともない、女性にうれしいデザインが随所に現れるようになった宿。

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