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桐たんすの仕上げ、引き出し部分の調整。しゃーっという音とともに、ごく薄い木片がかんなから流れるように出てくる。
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知人宅ですてきな桐たんすを見せてもらった。伝統的な技を用いながら、現代のインテリアに寄り添うデザインは、田上町の桐たんすメーカーにオーダーしたのだという。
このたんすを作ったのは「工場は遊び場、職人さんに遊んでもらって大きくなりました」と語る桑原隆さん。昭和12年創業の桐の蔵3代目社長である。高校卒業と同時に和歌山県のたんすメーカーで修業を積んだ。「実家の職人さんにいろいろ教えてもらっていたので、修業は厳しかったけど技術的な苦労はありませんでした。むしろ帰ってきてからのほうが大変」
一さおの桐たんすには200以上の工程がある。組み立て、塗装、仕上げ、金具……。3代目のプレッシャーもあり、職人さんの仕事を盗み見て覚え、みんなが帰った後の工場でひたすら練習した。「一人前になるのに10年はかかるといいますが、知識も技術も目配りも祖父や父には及びません。18年目の今でもまだまだ中途半端ですよ」と謙遜(けんそん)する。
4年ほど前に古いたんすの修理を始めた。「桐たんすは再生できますといって売るのに、修理を外注に丸投げする現状はおかしいですよね。周囲の反対は大きかったけれど、再生たんすをやりますと声を上げたら全国から昔のたんすを持ってくるお客さんがたくさんいて、百貨店経由ではないお客さんとの新しい関係ができました」。同じころ、デザインを学んだ弟の鈴木進さんと新しいものづくりをしようとはじめたのが桐チェスト。さらには古い桐たんすの味のある色を生かした「温故創新シリーズ」を展開している。
「伝統的な桐たんす、モダンな桐チェスト、そして再生たんすの三本柱はとてもバランスがいい。これからは海外向けのHPなどで日本の伝統的な文化や技術を紹介していきたいですね」
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