1日のうち3分の1は睡眠時間。つまりベッドを使っている人は、
人生の3分の1をベッドですごす計算になる。
ベッドの寝心地が悪ければ不快なだけでなく、
日常生活にも大きな影響を及ぼすのだ。
そこでベッドの賢い選び方など山下家具のベッド担当、
栗原浩人さんに聞いた。


 ひと昔前のベッドというと、宮付きと呼ばれる頭の部分に引き出しなどが付いたものが主流。でも今は9対1の割合で、ベーシックなフラットタイプが出ている。宮の部分約15cmがないことで部屋がより広く使えるからだ。
 ベッドのサイズも多様化している。シングルとセミダブルの間のワイドシングルや、ダブルとクイーンの間のワイドダブルなどもある。身長180cm以上の人は普通より8〜15cm長いロングサイズを選ぶようだ。
 若い人に人気のデザインは、シンプルモダンのフラットタイプ。ヘッドが縦格子や横格子のもの。部屋が広く見えるロータイプ、ファブリックの色が選べるタイプなども人気。

人気のシンプルモダンのフラットタイプ。ベッドにもインテリア性が求められている。


 マットレスにもさまざまなタイプがある。一般的なのが連結コイルスプリングと呼ばれるもので、隣同士のスプリングが連結しているタイプ。これに対して、1つずつのスプリングを袋の中に入れたものがポケットコイルで、横揺れしにくいという特徴がある。ダブルベッドなど2人で使用する場合は、隣の人の振動が伝わりにくいので、こちらがおすすめだ。
 最近の主流になりつつあるのが、低反発マットレス。低反発フォームは、宇宙飛行士の体を守る衝撃緩衝材や、病院の手術用ベッド、オリンピックのマラソンシューズなどにも幅広く利用されている素材。体へのフィット感が持続され、血行が妨げられない。寝姿勢が維持されるため、寝返りを打つ回数が減り、熟睡もできる。ほかにも水の浮力を利用したウオーターベッド、水の代わりにジェルを利用し、より扱いやすいジェルベッドなどがある。
マットレスの賢い選び方は、硬すぎず、柔らかすぎず、いかに体にフィットするか、つまり体圧分散性を知ること。「購入の際には、必ず実際に寝てみることをお勧めします」と栗原さん。自然な寝姿勢が得られ、不愉快な横揺れがなく、形が崩れないことが選ぶポイント。山下家具には体圧計測器もあり、いろいろな種類のマットレスに寝た場合の体圧が計測できるので、一度試してみては。

   
体圧計測器では、もっとも体圧がかかっている部分の紫色から、ほとんど体圧がかかっていない部分の黄緑色まで、6色に色別されて表示されるので、自分の体に合ったベッドがひと目でわかる。

また人はひと晩でコップ1杯もの汗をかくと言われている。その湿気がベッドの内部にたまらないように、ベンチの側面に通気孔(ベンチレーター)があいているマットレスが最近の主流。床板がすのこのタイプも人気がある。
マットレスの寿命は通常8〜10年と言われている。そこで重要なのがマットレスのケア。あまり知られていないが、低反発マットレス以外のほとんどのマットレスには表裏、前後ろはない。つまりローテーションして使えるので、3カ月から半年に一度は替えること。またその際には、半日マットレスに風を通すのもお忘れなく。

独立スプリング

ひとつひとつのコイルが『点』となって体を支えてくれる。体の重い部分と軽い部分が別々に沈むため、フィット感があり、自然な寝姿勢が保てる。
ウォーターベッド

水の浮力に抱かれたような快適さは、母の胎内に眠っているような深い安息のイメージ。サーモスタット制御のヒーターで寝床内を快適温度に保つことができる。
低反発フォーム
低反発フォームは、しっとりと体になじみ、抜群のフィット感を実現。より快適な眠りを約束してくれる。


ジェルベッド
 
ジェルが体全体を広い面積で支えるので、体圧分散し、血液循環が良くなる。ウオーターベッドより沈み込みが少ないため、筋肉への負担が少ない。


   山下家具ではベッドを購入する人の7割が引き出し付きのベッドを選ぶという。シーズンものの掛けふとんやシーツなどをしまえて便利だからだ。引き出しといっても、サイドに片方だけ引くもの、両側引くもの、足元が引き出しになっているものなど、タイプはさまざま。マット下が開閉する大型収納タイプもある。
 話題のマイナスイオンが発生するベッドも、昨年3月くらいから出るようになった。
 マイナスイオンは副交感神経に働きかけ、入眠を促進する効果がある。電気的に発生させるものやマットレスの繊維に練り込んだものなど、いずれも半永久的に効果が持続する。
 またベッドの上で読書やテレビを楽しみたい人のために、マットがリクライニングするタイプや、ヘッドボードがハイバック・ローバックに変えられるものもある。


  ベッドの価格のほとんどがマットレス。マットレスの質、つまりいかに見えない部分にお金を使っているかどうかで価格に差があると言っても過言ではない。一生の3分の1をすごすベッドの上。いかに快適に眠るかはいかに快適に暮らすかにもかかわってくるもの。予算を考えながらも、ベッドは健康のために一番慎重に選んでもらいたい家具だと言えるだろう。

独立スプリング

人が「気持ちいい」と感じる森の中や滝の付近、噴水の近くなどで大量に発生しているマイナスイオンは「自然界の癒し」とも言われている。リラックス効果、疲労低減、熟睡感アップなどが期待できる。
ウォーターベッド

ボタンひとつで背上げ足上げが自由自在。リラックスした姿勢が楽にとれる。
ジェルベッド

引き出しを引くスペースがなくても、マット舌が開閉するので、たっぷり収納できる。

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