手作りお菓子で楽しむバレンタイン 和菓子を贈る、こころを贈る
Hand made

四季折々の美しさを織り込んで作る和菓子。
日本古来のヘルシーな材料を用い、見た目もきれいな和菓子には、
人をどこかほっとさせる魅力がある。
熱いお茶とともにいただく、口に広がる上品な甘さは、
年齢を問わず日本人の心に染み入るようだ。
チョコレートとは一味違う、独特の魅力あふれる和菓子を贈ろうと、
家庭で手軽に手作りするノウハウを
丸屋本店・技術部長で和菓子職人の細道晃さんに聞いてみた。
Japanese taste 米粉

和菓子の材料としてよく使われる米粉は、原料にもち米を使うものとうるち米を使うものがある。外郎の材料の上新粉は、うるち米を乾燥させ粉にひいたもので、シコシコとした弾力が特徴。焼き団子の生地やかしわもち・草もちなどの皮に使われる。一方練り切りの材料のもち粉は、もち米を乾燥させ粉にひいたもので、大福やうぐいすもちの皮などに使われる。白玉粉も同じくもち米を乾燥させたものだが、砕いてから水にさらしているためやや風味に欠けるが、弾力とツヤがあり、きめ細かく仕上がる。
家庭で作る和菓子のコツ

 細道さんが技術部長を務めている丸屋本店のショーウインドーには、バレンタインのこの時期、女性の優しさを託した淡い色合いの、細やかな細工を施した和菓子の詰め合わせが並ぶ。県内ではいち早く、バレンタイン用の和菓子の販売を、10年以上前から始めたが、ここ数年、年配者に限らず幅広い年齢層が買い求め、関心も高まっているようだ。「和菓子は日本の文化。伝統は崩すことなく受け継がれていくもので、商品はすべて、材料から吟味して作られています。でも家庭で作る場合は、技術よりもまず、気軽にとりかかれることが大事」と細道さんは言う。洋菓子に比べ和菓子の手作りは面倒そうと敬遠されがち。また材料も手に入れにくいと思われるが、市販のものを上手に取り入れれば意外と簡単だ。基本となるあんは小豆から煮ると大変だが、まずは袋ものや缶詰を利用しよう。軟らかいあんは、耐熱容器に適量入れ、ラップをかけずに電子レンジで2分加熱する。冷めたら固さを確かめてからまた2分加熱する。この繰り返しで適度の固さまで調節する。鍋だと熱が入るため、なかなか分かりにくいあんの固さ調整も、電子レンジだと簡単。同様に粉寒天を溶かす場合も電子レンジが重宝する。また大福の皮も、切りもちに水を加えて電子レンジにかけ軟らかくし、さらに砂糖を加えて練れば簡単に出来上がる。まずは手軽に楽しむことを優先し、十分慣れてきたら、豆から煮てみる、ぎゅうひを加えてみるなど、幅を広げていくのもいい。
真心が一番の隠し味

 材料の砂糖は種類も多く、どれを使うかで仕上がりに違いが出てくる。上白糖が一般的だが、グラニュー糖を用いれば、アクが少なく上品であっさりした味に仕上がる。しかし「お菓子を作る上で一番大切なことは心構え」と細道さんは強調する。贈る相手のことを思って真心を込めて作れば、同じものを作ってもひと味もふた味も違ってくる−毎日和菓子を作り続けて半世紀になる細道さんならではの、実感のこもったアドバイスだ。
 気になる保存方法については、賞味期限は砂糖の含有量により差があるが、おいしく食べられるのは一般的には2〜3日。冷蔵庫に入れる場合は容器の上からラップをかけて、水分が蒸発しないように注意する。冷凍する場合も、容器の上からラップをする。解凍はラップをかけたまま、自然解凍する。ただし寒天が入っているようかんなどは、中身がバラバラになってしまうため冷凍は不向きだ。
 「初恋」、「想い」、「相愛」、「糸結び」…そんなひそやかな乙女心を表すひと言が似合う和菓子の世界。洋菓子にはないメッセージを添えて、手作り和菓子を贈ってみては。
<プロフィル>
細道 晃(ほそみちあきら)
写真:細道さん
和菓子を作り続けて53年。1996(平成8)年にはフランスのナント市にて和菓子を披露し、菓子職人としての技術を高く評価された。和菓子1級技能士。株式会社丸屋本店の技術部長。NHK文化センターの和菓子教室講師。1991(平成3)年には新潟市技能功労者の表彰を受けた。 取材協力:丸屋本店  
本店=新潟市東堀通6番町1038
TEL.025(229)3335
http://www.maruyahonten.com
1月末からバレンタインデーにかけて、具材にクルミ、レーズンなどを使った和風トリュフや生和菓子5種を販売。

※出来上がり個数は、1個の大きさにより若干異なってきます。
写真:外郎(ういろう)
外郎(ういろう)
柔らかい舌触りが口の中で広がる
●材 料 **** (5個分)

上新粉

80g
もち粉 20g
グラニュー糖 130g
120cc
白あん 300g
桜の塩漬け 適 量
ポイント 白あんは10等分してまるめておく。ふきんは目の細かいものを使うこと。
<作り方>
1. 上新粉、もち粉、グラニュー糖をよく混ぜ、水を加える。
2. 蒸気の立った蒸し器にぬれぶきんを敷き、1.を入れ、強火で20分くらい蒸す。
3. 蒸し上がったら、ふきんを折りたたむようにしてふきんごとよくもみ込み、ビニールの上にあける。10等分して丸く平らにのばして白あんを包み、水で塩抜きした桜の塩漬けを飾る。

写真:練り切り(ねりきり)
練り切り(ねりきり)
バラの花言葉「わが心、君のみが知る」を込めて
●材 料 **** (5個分)

白あん

300g
もち粉 15g
黄色素 少々
黒あん 300g
ポイント 黄色素は、白あんの固さを調整してから入れること。途中で加えるとあんの水分量によって色が濃くなってしまうため。
<作り方>
1. 白あんともち粉をよく混ぜ、電子レンジで2分加熱する。冷めたらさらに2分、電子レンジで加熱する。固さを見ながら3回ほど繰り返す。
2. 指先でのばせる程度の固さになったら黄色素を加え、10等分する。
3. 黒あんを10等分してまるめ、周りに2の黄色あんを指先でバラの花びらの形を作りながら巻きつける。

写真:鹿野子(かのこ)
鹿野子(かのこ)
鹿(シカ)の模様を映しこんだ和菓子の定番
●材 料 **** (5個分)

ゆで小豆の缶詰(210g入り)

1缶
黒あん
150g
(みつ)
グラニュー糖 200g
150cc
(寒天液)
粉寒天 2g
180cc
グラニュー糖 100g
飾り用チョコレート 適 量
ポイント お好みで黒あんの中にぎゅうひ(市販)を入れてもいい。
<作り方>
1. ゆで小豆の水気を切る。
2. 鍋にグラニュー糖と水を入れ沸騰させてみつを作り、1.の小豆を入れ、再度沸騰させ火を止める。冷めたら小豆とみつを分け、鍋にみつを戻して沸騰させ、小豆を戻して再度沸騰させて火を止める。これを3回ほど繰り返す。
3. 黒あんを5等分してまるめる。
4. 2.の小豆の水気を切って5等分し、手のひらに広げ、3のあん玉を載せて周りに小豆をはりつけるようして形を整える。
5. 耐熱ボウルに水と粉寒天を入れ、電子レンジで1分加熱する。グラニュー糖を加え、さらに2分加熱し、寒天液を作る。
6. 寒天液の粗熱がとれたら、4.の上からお玉で回しかける。
7. チョコレートをハート形に抜き、6.に載せる。

写真:甘露梅(かんろばい)
甘露梅(かんろばい)
梅ようかんの甘酸っぱさが懐かしい和風トリュフ
●材 料 **** (5個分)

白あん

120g
グラニュー糖 100g
粉寒天 2g
100cc
梅干し(大) 1 個
赤色素 少 々
ストロベリーチョコレート 適 量
ポイント 丸形の製氷皿がなかったら、角形でもOK。
<作り方>
1. 水と粉寒天をよく混ぜ、電子レンジで1分加熱する。
2. 1.にグラニュー糖と白あんを入れ、電子レンジで2〜3分加熱する。
3. 梅干しは種を抜き、皮が少し残る程度に包丁でたたいておく。
4. 2.に赤色素と梅干しを加え、丸形の製氷皿に流す。冷えたら型からはずす。
5. チョコレートを湯せんにかけて溶かし、少し冷ました中へ4.の梅ようかんを1個ずつ入れて網に取り出す。
6. 少し表面が乾いたら、網の上をころがして角出しトリュフを作り、完全に冷めるまで置いておく。

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