シンプル&ヘルシーな食生活を目指して
10年ほど前、体調を崩したことをきっかけに、体質改善策のひとつとして玄米を食べ始めた佐藤さん。そのときは玄米と野菜を中心に、脂や塩をできるだけ抑えた食事をしていたものの、かえって冷え性や肩凝りが悪化するという結果になってしまった。厳格なマクロビオティック(玄米菜食)はストイックすぎて続けられず、自分らしい食生活を模索する中で出合ったのが、おおらかな穀物菜食を推奨する「未来食」だった。
「マクロビオティックをベースに、ダイナミックな創作雑穀料理を展開する『未来食』で、穀物菜食の本当の楽しさとおいしさを知ったんです。体調もみるみる良くなったので、これは絶対にほかの人にも教えてあげなくちゃと思って、料理教室を始めたんですよ」
佐藤さんの提案する穀物菜食では、雑穀と地元でとれた旬の有機野菜をまるごと食べる。調味料も無添加で昔ながらの製法で作られたものを使うから、素材のおいしさが100%生きている。ヘルシーに徹した健康食はどうしても見た目が貧相になりがちだが、そこは佐藤さんの腕の見せどころ。カフェ・スタイルで出される料理は、どれもおしゃれでかわいらしい。意外と簡単に作れるのもポイントだ。
「つぶつぶ」をおいしく楽しく取り入れる
おいしくヘルシーな雑穀パワーに魅せられたら、毎日の食生活に積極的に取り入れてみよう。初心者でもトライしやすいのは、おこわ感覚で食べられる玄米ごはんだ。
「玄米は圧力が高いほどもっちりとおいしく炊き上がるので、圧力鍋を使うのがベストですね。最近は玄米モードのついた電気炊飯器も多くなりましたが、玄米モードがなくても水加減を調節すれば問題なく炊けます。固くなりすぎてしまったら、リゾットやライスボールにアレンジすると、また違った味わいが楽しめるんですよ。ただ、玄米は食物繊維が多いので、大量に食べるとおなかがゆるくなってしまうことがあります。そんなときは、三分づきや五分づきなどの分づき米から、少しずつ試してみて下さい」
いっぽう雑穀には「うるち系」と「もち系」があり、日本では適度なとろみを持つ「もち系」の栽培が主流だと語る佐藤さん。その特徴を生かした穀物のスープは、ポタージュに似た優しく滑らかな口当たりを持ち、熱いままでも冷たくしてもおいしい。完ぺきとも言える栄養素を含んでいるから、夏バテや体調不良で食欲をなくしたときの栄養補給にうってつけだ。
「最近、発芽玄米などで雑穀に注目が集まっていますが、大切なのは頑張りすぎないこと。最初は月に数回、週に1度の『つぶつぶデー』でいいんです。肉や魚、卵、乳製品、砂糖を減らした食事に慣れてくると、体が良いものを食べているんだという自覚を持ちはじめ、素材選びもうまくなります。最終的に、1日のうち1食が穀物菜食になったら、しめたもの。体がうんと元気になりますよ」
つぶつぶメニューを推進する佐藤さんの、ハツラツとした笑顔が光る。穀物菜食を続けるコツは、豆製品でタンパク質を、ゴマでカルシウムを補うこと。そしてなにより、自分のペースを保つことだ。気分が乗らない日はパスしたり、特別な日には肉なども適宜取り入れて、無理なくおいしい食生活を目指したい。
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雑穀はやせた土地でも栽培でき、無農薬・低肥料でもたくましく育つ、生命力の強い食べ物。その小さな「つぶつぶ」の中には、食物繊維やミネラル分など、心と体を美しく元気にしてくれる栄養素がぎっしり詰まっている。
玄米
収穫した米から、もみ殻だけを除いたもの。残っているぬか層や胚芽(はいが)にはタンパク質をはじめビタミン類、ミネラル分、食物繊維がバランスよく豊富に含まれている。腹持ちが良く、ダイエットに向く。
ヒエ
食物繊維や、カルシウム、リンなどのミネラル分に富み、体を温める効果がある。まろやかでクセのない味わいは、コロッケやテリーヌなど幅広いアレンジが楽しめる。パラッと炊いてクスクス代わりに使っても美味。
モチアワ
特にカルシウムやマグネシウム、鉄分が多く、ビタミンB1も豊富。とろけるような食感と淡い甘味を持つモチアワは、ポタージュ風のスープやオーブン料理に向く。消化が良いので離乳食にもおすすめ。
ハトムギ
穀物の中でもっとも粒が大きく、ぽくぽくした食感が楽しめる。新陳代謝を高めるビタミン類に富み、古くから薬膳の食材として使われてきた。肌荒れやシミなどを和らげる美肌効果があるほか、利尿作用にも優れる。
キヌア
極めて高い栄養価を誇る、アンデス地方原産の穀物。良質のタンパク質や食物繊維、カリウムなどが豊富で、地元では「母なる穀物」と呼ばれてきた。消化が良く、玄米に混ぜ込んだり、サラダやスープにも向く。
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