涼ある暮らし 夏の住まい

籐の網代が敷かれた和室の
床。座布団も麻に衣替え

写真:座布団
写真:和室
夏空間を演出
季節のしつらいを楽しむ

もうすぐ梅雨明け、いよいよ本格的な夏がやってくる。
たたずまいを夏向きに整えれば、暑い季節を楽しむ余裕も生まれてきそうだ。
季節のしつらいを楽しんでいる新潟市のインテリアコーディネーター、
安立奈緒子さん宅にお邪魔し、夏の模様替えの様子やコツを伺った。


取材・文/矢澤ひろみ(2P)、小杉康子(3、4P)、吉村昭子(5P)、逸見啓子(6P)
撮影/村井勇(2、4P)、高山潔(3、5P) 地図製作、イラスト/荒井晴美
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座卓のいろり用のくぼみにしつらえたミニ庭園。園芸店などで売られている白い小石を敷き詰め、苔玉をあしらった

和室から洋間への出入り口には、祖母の夏着物を仕立て直したのれんがそより。目に風を感じさせてくれる

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洋間の窓辺は白いカーテンに掛け替え。ソファカバーも純白に近い白ですっきりと統一。グリーンには観音竹など葉先のとがったものでシャープさを演出
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五官で涼を呼び込む

 入梅とともに客間やリビングなどを夏のしつらいに整えているという安立さん宅。今年も、客間となっている和室窓辺の障子戸を外し、すだれに付け替えた。「半分ほど巻き上げれば風も通りやすいですし、庭を眺めることもできます。畳の上に敷いた籐(とう)の網代はもう20年も使っているんですよ。素肌に触れたときのひんやり、さらっとした感触がとても気持ちいいんですよね」。「しつらい」というと日本古来の作法にならって、立派な調度品で部屋を装飾するというイメージがあるが、ポイントは「目で見、耳で聞き、鼻でかぎ、肌で触れる」というように五官をフル活用させるようなインテリア術を使うこと。堅苦しく考えなくてもその時々の目的に合った空間を作り出すことができるという。
 和室にも緑は欠かさない。冬場、いろりとして活躍している座卓のくぼみ部分には白い小石を敷き詰め、苔玉(こけだま)を置いてミニ庭園を再現、目にも楽しい空間をつくり出している。「“香り”も涼を呼び込む重要な要素です。部屋にたきしめているお香は竹の香り。まるで竹やぶの中に入ったような感覚になりますよ」
 見た目で“風”を感じる工夫も部屋に涼を呼んでくれる。「風鈴は夏のインテリア小物として人気のアイテム。軒先で透き通った音を奏でながらゆらゆらと揺れている、ただそれだけでとても涼やかな気分になりませんか? のれんも家の中の風の通り道にとりつければほら、このとおり」。部屋には和服をほぐして作ったというのれんが風を受けやさしくそよいでいた。
 洋間リビングもカーテンをブラウンベージュ系のものから白へと模様替え。「カーテンは部屋の面積の大部分を占めているので雰囲気がガラッと変わります。ソファやクッションカバーも取り換え、なおかつ色調をそろえることで統一感を出します。ベースはあくまで白。アイボリーよりは純白に近い白で涼しさを出します」。ソファ脇のテーブルに置かれたガラスのキャンドル入れ、水を張ったガラスの皿に盛られた花も季節感を呼ぶ演出だ。ブルーやグリーンなど濃い色の小物を使えば部屋をぐっと引き締めるアクセントにもなる。「観葉植物も葉先の丸いものから、観音竹など先のとがっているものに替え、見た目のシャープさで涼しさを出すこともできます」


安立奈緒子
大学卒業後、東京の会社に就職するが、地元新潟でインテリアの仕事をしたくてUターン。専門学校に通いインテリアコーディネーターの資格を取得。住む人の快適な暮らしのため、インテリアプランの作成をしたり適切なアドバイスを行ったりするスペシャリスト。

写真:安立奈緒子

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