写真 音楽のある暮らし

音楽がいつもそばにある暮らし、それも一つのスタイル。
気持ちを優しくほぐしてくれる良質な音楽で豊かなひとときを。
リラックスタイムにぴったりのCDをご紹介しよう。
       文/柚木崎寿久、田辺夏海 撮影/渡邊久男 

写真 『ゲッツ/ジルベルト』
スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト

 ボサノバを代表する名曲「イパネマの娘」のオリジナルナンバーを収録。アストラッド・ジルベルトの優しい歌声、スタン・ゲッツの情感あふれるサックス、アントニオ・カルロス・ジョビンの穏やかなピアノ……と、この奇跡的なまでに美しい1曲が聴けるだけで手元に置いておきたくなるアルバムだ。もちろん、その他のナンバーも名曲ぞろい。40年以上前の録音なのに、みずみずしさを失っていない点も素晴らしい。まさに、永遠の名盤。
写真 『ロマンツァ』
アンドレア・ボチェッリ

 音楽には人の心を励ましてくれる特別な力がある、とそんな思いを実感できる名曲がずらりと並んだアルバム。世界的な大ヒットとなった「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」のイタリア語バージョンで幕を開け、次から次へとドラマティックな曲が繰り広げられる。ボチェッリは新人時代に、世界最高のテノール歌手と言われるパヴァロッティを驚嘆せしめた実力者。その豊かで奥行きのある歌声は、聴く者の胸を特別なぬくもりで満たしてくれる。
写真 『レイ・ブライアント・トリオ』
レイ・ブライアント

 気難しい顔をしなくてもジャズの心地よさにひたれるという、まさにお手本のような名盤だ。このアルバムがいかに素晴らしいかは、1曲目「ゴールデン・イアリングス」の哀愁を帯びたピアノのイントロを聴くだけでわかるはず。ジャズナンバーの名曲「ジャンゴ」も屈指の美しさで、全体的にピアノトリオの魅力が新鮮な果汁のようにあふれ出す。レイ・ブライアントが奏でるしっとりとしたメロディーには、ひたすら陶酔するのみだ。
写真 『サンクトゥス・サンクチュアリ』
タリス・スコラーズ 
指揮:ピーター・フィリップス

 タイトルにある「サンクトゥス」とは、キリスト教におけるミサのクライマックスに歌われる聖歌のこと。さまざまな曲があるが、このアルバムには11曲が収められている。すべてアカペラで演奏されており、その澄み切った歌声に耳を傾けていると、きっと心が浄化されるような思いに包まれることだろう。目を閉じれば、そこはたちまち教会となる……と、そんな印象のアルバム。日常の疲れを音楽によって癒やされたいという人にオススメだ。
写真 『AA印の悲しみ』
アストル・ピアソラ

 アルゼンチンタンゴの革命家とも言われるアストル・ピアソラ。かのヨーヨー・マが敬愛していることでも知られるピアソラの傑作ライブ盤と言われるのが、この『AA印の悲しみ』だ。自由奔放に奏でられるバンドネオン(アコーディオンに似た楽器)の調べは、時に情熱的であり、時に哀切。そこには感情を揺さぶるようなメロディーが常に息づいている。最初はとっつきにくいかもしれないが、聴けば聴くほどその良さがわかるアルバムである。
写真 『NHK落語名人選6』
三代目三遊亭金馬

 音楽CDではないが、名人の話芸は実に音楽的。リズミカルに繰り出される言葉の躍動感には思わず聴きほれてしまうほどだ。落語にあまりなじみのない人にこそ耳を傾けていただきたい1枚で、ここには心を和ませてくれる上質な笑いがある。収められているはなしは金馬師匠晩年の高座から「居酒屋」「紀州」「目黒のさんま」。このうち「目黒のさんま」は有名だが、その内容やオチを知っていてももちろん楽しめる。「居酒屋」の面白さは絶品だ。
写真 『オフィーリアの歌』
波多野睦美(ソプラノ) 
つのだたかし(リュート)

 幅広いレパートリーを持つソプラノ・波多野睦美と、弦楽器リュート奏者で多数の古楽CDのプロデュースも手がけるつのだたかしが生み出す情感あふれる美しいアンサンブル。文豪シェークスピアの名作「ハムレット」劇中で、錯乱したオフィーリアが歌ったと思われる「オフィーリアの歌」を含む全17曲を収録。まさに透き通るような歌声と、繊細なリュートの音色が紡ぎだす調べは、眠る前のひとときや1人静かに過ごす夜更けにぴったり。
写真 『JET STREAM SPRING FLIGET』
橋本徹(SUBURBIA)選曲

 数々のコンピレーションアルバムを手かけている渋谷の「カフェ・アプレミディ」橋本徹と、深夜の人気FM番組「JET STREAM」がコラボレーションしたシリーズの春編。クラシック、ジャズ、ジョン・レノン「IMAGINE」のカバーなどがそろう。夜に漂う春の気配を感じさせる印象的な1枚だ。美しく懐かしい夢を誘うような、幸福な音楽の旅を堪能したい。夏・秋・冬編もあり、次ページのowlで販売している。

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