Lecture4 年金

もし今あなたが20歳の学生なら、国民年金に加入したばかりで受給するのは45年先の未来のお話。「遠いこの先、何があるか分からない」。そうです!何があるか分からないからこそ先立つものはお金。年老いてから「えっ!」では遅い。年金改革を来年に控えた今、どう変わるのかを知るためにも今こそ知っておきましょう。年金のこと。

取材・文/橋本啓子
年金の種類  ベースとなる国民年金(基礎年金)は職業ごとに1〜3号まで、3種類に分けられている(表1)。このほか、サラリーマンやOLは厚生年金、公務員は共済年金の2階建てになっている。これら公的年金のほか、基礎年金の上積みとして国民年金基金や厚生年金基金また、保険会社の個人年金など個人で加入する私的年金がある。
表1
表2

いつからもらえるの?
 黙っていても65歳になればもらえるものと思っていた人は残念ながら大間違い。年金は加入者に対して支給されるもので、国民年金(老齢基礎年金)は原則25年以上加入していることが支給条件。例えば20歳で国民年金に加入して、その後22歳で就職して厚生年金に。30歳で結婚して、専業主婦になった場合、加入期間は10年。厚生年金は切れるが、届け出をすれば第3号被保険者(表1)として国民年金は継続する。35歳で夫と死別、または離婚後、就職先がなかなか見つからなかったり、自分で仕事を始めたりして、気が付いたら45歳まで独身。その間、届け出を忘れていたり、年金保険料を支払わずにいたりすると、ここまでの加入期間はまだ15年。あと10年支払わないと年金を受け取ることはできない。そうなれば老後の生活を保障するものがないだけでなく、支払った15年分の年金も捨てたのと同じになってしまう。(※会社員や公務員の場合、生年月日により60歳から65歳まで部分年金が受け取れる。ただし、昭和36年4月2日以降の生まれの男性、昭和41年4月2日以降生まれの女性はいずれも65歳からの支給)
25年以上が必要なんだ Nenkin


2年まではさかのぼれる
 先のような例であわてたときや収入が不安定だからと保険料を支払わないでいた場合、さかのぼって2年までは、その期間の保険料を納めることで空白を埋めることができる(それ以上は時効)。支給される年金は未納期間によって減額されるので、きちんと納めることが大切だ。納め忘れを防ぐには、口座振替制度の利用や保険料をまとめて納めると割引のある前納制度を利用することも賢い方法。
いくらもらえるの?
 基礎の老齢基礎年金(国民年金)で加入期間がぎりぎりの25年の場合、年額49万8100円。40年間加入した場合は年額79万7000円(いずれも2003の場合)。老齢基礎年金ではこれが最高額と最低額だ(表2)。厚生年金は給与から天引きされて支払う年金で、支給されるときには老齢基礎年金に上積みされる。計算式は[標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入月数+平均標準報酬月額×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数×物価スライド(2003年現在。物価スライドは0.991)]。結婚によって退社した場合、届け出により厚生年金から国民年金(3号)に移行するが、それ以前に支払っていた厚生年金は先の計算式で老齢基礎年金に加算される。
Simulation
就職に結婚、退職、再就職など女性の
ライフプランはさまざま。
こんなときはいくらもらえるのか…
A子さんをモデルにシミュレーション

2003年現在の制度での計算。法改正などによって、
額は変動する可能性があります。
イラスト A子さん(35歳):大学卒業後、23歳から会社勤め(同時に国民年金、厚生年金に加入)平均標準報酬月額20万。
Case1 (1)ずっと定年(60歳)まで
会社勤め。
イラスト1
厚生年金52万9300円+老齢基礎年金73万7200円
=126万6500円

Case2 (2)29歳で5歳年上の夫と結婚し退職(夫の収入は23歳から35歳まで平均標準報酬月額28万円。35歳から60歳まで45万円、賞与込み 総報酬制)。子育て後、パートに出るが基本的に主婦。 イラスト2
厚生年金10万1700円+老齢基礎年金73万7200円
=83万8900円

ちなみに夫は厚生年金108万3500円+老齢基礎年金73万7200円=
182万700円
Case3 (3)結婚11年で離婚、もしくは夫がリストラ。再就職が厳しくパートかけもちでしのぐ(厚生年金は未加入)(2)と同じ(国民年金は3号から1号に。自分で市町村の窓口に届け出が必要)
夫が1年後再就職(標準報酬月額28万円)したら、夫は厚生年金87万6600円+老齢基礎年金73万7200円=161万3800円
もしA子さんが1年後再就職したら(平均標準報酬月額は18万円)
イラスト3
厚生年金32万2800円+老齢基礎年金73万7200円
=106万円
払いたいけど今の生活が・・・  国民年金の保険料は月額1万3300円(2003年度)。収入がない場合、月々の支払いが負担になることも。そんな時は申請すれば支払いを免除してもらえる制度がある。免除は半額と全額の2種類で、申請をした月の前月から翌年の6月まで。家族構成によって免除の対象となる収入が決まっており、おおよその目安としては夫婦2人世帯、年収271万円程度で半額免除、単身世帯なら150万円程度。全額免除は夫婦2人世帯で159万円程度、単身では100万円程度だ。
年金に関する問い合わせは各地域の社会保険事務所か新潟年金相談センター(新潟市弁天3−2−3ニッセイ新潟駅前ビル3階)へ。年金暦、その他個人情報の照会は来訪のみ。免許証など身分を証明できるものが必要。 相談にきてね
●社会保険庁ホームページ    
http://www.nenkin.go.jp

このHPでは年金の受取額の試算ができる。

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