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どんなに仲のよい夫婦でも、ちょっとした行き違いの ひとつやふたつはあるもの。が、長い夫婦生活、 ちりも積もれば山とはよくいったもので、 ほんの小さな行き違いがやがて乗り越えられない山となり、 離婚の二文字が現実味を帯びて見え隠れしてくる。 夫婦の間に潜む、やがて危機をも招きかねない 小さなズレやほころび。あなたの場合は、修復可能だろうか? 取材・構成/祭田朝子 |
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家庭は企業の縮小版 結婚生活を送っていく上で、一度も離婚を考えたことがないという人はまれでしょう。でも、私が離婚カウンセラーという仕事を通じて思うのは、なぜこんなに離婚する人が多いのだろうかということ。離婚数が増え、離婚経験者が市民権を得るのはいいのだけれど、気楽に離婚を選択しすぎるんじゃないかと感じざるを得ません。 周囲から見れば本当にささいなことでも、当事者にしてみれば「即離婚だ」と思うようなことはたくさんあります。夫婦だからこそ、他人には言えないようなことを言い合い、八つ当たりをし、甘えもする。それがお互いの許容範囲であれば、時間とともに元のさやに収まってしまうものです。が、許容範囲がすれ違っていると不平不満が募り、ささいなことが積み重なって、結果的に離婚という選択に追い詰められていく。だからこそ、ちょっとしたズレや行き違いでも、早めに対処することが必要です。 家庭生活を見ていると、いろいろな面で会社の経営と似ていることが分かります。理念やビジョンを持っていない会社は、誰も信用してくれないし、取引もしてくれない。成長なんて望むべくもありません。しかも、この世の中、何が起こるか分からない。取引先が倒産するかもしれないし、銀行がお金を貸してくれないかもしれない。危機管理能力が必要です。 あなたの家庭という名の企業に、経営理念はありますか? 夫婦共通のビジョンを持っていますか? 危機管理についてはどうでしょう? 会社の業績に当たるのは、お互いの満足感、幸福感です。業績が足りないと思ったら、会議をする、話し合う。問題が派生したのなら、状況を見極め、対策を練る。会社なら毎日、毎月、経営状況をチェックしますよね。家庭だって、夫婦だって、同じです。 コミュニケーション術を磨く 夫婦だから黙っていても分かり合える、というわけはありません。“私はこう思っている”“私はこうしてほしい”、自分の気持ちをきちんと伝えること。そのためには分かってもらえるようにコミュニケーションすることが必要です。 カウンセリングをしていて、よく耳にするのが、ひところブームにもなった“くれない族”の不平不満です。「話を聞いてくれない」「優しくしてくれない」……不平不満が先に立ち、本気でぶつかれない、気持ちを伝えられない。夫婦間で、そもそもコミュニケーションが成り立っていないんですね。 「私は何回も言いました」「言ってもどうせ分からないんです」というパターンも多い。でも、それは子どもの教育と同じなんです。“1+1=2”を教えて、すぐ分かる子とそうじゃない子がいる。何回教えても分からないようだったら、ちょっと教え方を変えてみようかな、工夫してみようかなって考えるじゃないですか。この子は、計算の仕方の何が分からないんだろうって考えますよね。帰宅の遅い夫に「どうして遅いの?」と詰め寄ったりするのだって、子どもを頭ごなしにしかりつけているのと同じなんじゃないでしょうか。 自分の気持ちを伝えることと、感情をぶつけることは違います。自分の気持ちをストレートに話すのがいいのか、うそをついて分からせるようにしたらいいのか、それとも子どもや第三者を介して伝えるのがいいのか――相手に分かりやすくしてあげる工夫が大切なんです。 話を聞いてもらうためには、戦術も重要です。夫の好きな料理を用意しておくとか、いつもよりおしゃれをして待っているとか。映画に行ったり、音楽をかけたり、そういう演出も含めてコミュニケーション術だと思います。こちらがどう出れば、相手がのってくるか、経験上、想像はつくんですから、夫婦間のコミュニケーション術を磨いていくことです。今さら、という横着は厳禁ですね。 人間って、うまくいきっこないって思っていると、本当にうまくいかないし、“この人と一緒にいたい”“仲良くやりたい”という気持ちを持っていれば、うまくいくものです。まだまだ小さなひび割れ状態の夫婦なら、お互いを思いやりながら上手なコミュニケーションで補修してほしいですね。小さな補修を怠れば、やがて大きな崩壊に至るのは当たり前のことなのですから。 |
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