昭和初期の旅館で楽しむ
新・中華料理

 上野高校裏の細い道を下り始めた所に山中旅館がある。旅館内の「古月」というレストランは、一風変わったおいしい中華料理で有名。戦前のロマンチックな洋室や贅(ぜい)を尽くした和室で、会席料理のようにサービスされる中華料理を堪能できるのはうれしい。
 さらに坂を下り右折すると広い不忍(しのばず)通りに出る。左に不忍池が見えて視界が急に開ける地点の右側に、さほど広い門構えではないが由緒ある邸宅の入り口が見える。そこが画家・横山大観邸で、今は記念館として一般公開されている。絵を描くために自身で設計した家だそうだが、春夏秋冬に楽しめる庭木や、まるで自宅の池のごとく不忍池が見られるように配分した窓など、建築の妙を素人でも感じる造りだ。大観の作品は季節に応じて公開され、訪れる人々に感動を与えている。
 大観邸の近くには旧三菱財閥の岩崎家邸宅があり、去年から一般公開されている。ここを設計したのはイギリス生まれで鹿鳴館、ニコライ聖堂などを設計した建築家、ジョサイア・コンドル。今月から公開されている洋館こそ彼の設計の真骨頂だという。しかし取材時に見た和館も素晴らしいものだった。洋館を見にもう一度訪れたいと思わせてくれた。

東京は下町も面白い
 谷中・根津・千駄木は桜の時期だけ狂喜乱舞の体となるが、普段は静かでしっとりした風情があり、人を優しく包んでくれる場所だ。東京は今再開発ブームで、丸ノ内・汐留・六本木などに巨大なテーマビルが建設されている。観光客も多いようだが、江戸から続く古い東京の良さも伝えたいと思う。今回紹介した地域には、ほっと心が落ち着くような温かさがそこかしこに残っている。東京観光のコースにぜひ加えてほしいと、東京の下町に生まれ育ち、この地を愛する人間として願っている。



先代が台湾人に教えてもらって始めた、台湾屋台のデザート「オーギョーチイ」が食べられる。寒天より柔らかくゼリーよりしっかりした食感が魅力。
台東区上野桜木2-11-8
tel.03(3821)5375
営10:00〜18:00(売り切れ次第閉店)不定休
愛玉子400円、チイアンミツ500円、チイワイン・チイウイスキー(シロップの代わりにお酒をかけたもの)などの珍品もあり。テークアウトは1カップ400円




上野公園の南端にあり、お花見・月見・夕涼み、ボート遊びやバードウオッチングなどで人々を和ませてくれる都会のオアシス。貸しボートは手こぎローボート60分600円(大人3名・幼児1名まで)、スワン30分700円(大人2名・小人1名まで)、サイクル30分600円(大人2名・幼児1名まで)
ボート場tel.03(3828)9502
営4月〜8月10:00〜18:00、
3月・9月〜11月9:30〜17:30、
12月〜2月9:00〜17:00
3月〜11月無休(雨天休)、
12月〜2月水曜休
※天候などによる営業時間の変更あり






ランチ、ディナー、薬膳コースがあり、2名から個室でゆっくりフレンチのような中華料理が楽しめる。ランチ(ティータイムメニュー)は月替わりで、旬の素材を使った料理3種、スープ2種、自家製手打ちめん、デザート、コーヒーまたはウーロン茶となっている。昼・夜ともにコースのみだが、五目フカヒレスープだけは単品でも注文可。おかゆとフカヒレスープはテークアウトできる。
台東区池之端4-23-1(山中旅館内)
tel.03(3821)4751
営12:00〜17:00(ラストスタート15:00)/18:00〜(ラストスタート20:00)夏休み・正月以外無休
ティータイムコース3,800円(税抜き)、
ディナーコース7,000円(税・サービス料抜き)、五目フカヒレスープ1,200円、
テークアウトのおかゆ1,500円、
同じくフカヒレスープ3,000円


三菱財閥岩崎家本邸として、1896(明治29)年に完成。戦災を免れGHQに接収されるなどした後、1961年重要文化財に指定された。昨年は和館、今月から洋館が一般公開される。
台東区池之端1-3-45
tel.03(3823)8033
開9:00〜17:00
12月29日〜1月3日休
料金一般150円、65歳以上120円、小学生以下無料



1902(明治42)年に大観が構えた住居は戦災で焼失したが、1954(昭和29))年、土台をそのままに再建。1958(昭和33)年、90歳で没するまでここに住んだ。館長は大観の孫である横山隆氏。
台東区池之端1-4-24
tel.03(3821)1017
開10:00〜16:00(15:45までに入館) 月・火・水曜(祭日臨時開館あり)、梅雨期(6〜7月)、夏期(8月)、年末年始(12〜1月)休
料金一般500円、小学生200円

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