街の喧騒(けんそう)から逃れて、アートと過ごす優しいひととき。
忙しい毎日のなかでぱさついてしまった心に、温かな感動が満ちてくる。



 仕事や家事に追われる生活をしていると、心の潤いが足りなくなってくる。わけもなくイライラしたり、落ちこんだり、自分の日常が急につまらないものに思えてきたり・・・。そのうえすっかり寒くなってきた季節のせいで、姿勢までどことなく猫背気味。日常に隠れている小さな幸せを発見する力を取り戻すためにも、寒さに縮こまらないで、冬の美術散歩に出かけてみよう。
 買い物帰りにも立ち寄れる市街地のアート空間・新潟市美術館や、懐かしくノスタルジックな蕗谷虹児記念館、ロダンの「考える人」から小林古径ら新潟の美術まで2000点もの所蔵品を誇る新潟県近代美術館など、新潟には個性的な美術館がたくさんある。ゆったりとした安らぎに包まれた美術館は、きっと私たちの心を穏やかにしてくれるはずだ。特にアートが好きではなくても、何か一つは「これ、いいな」と思えるものに出合えるだろう。
 アートの素晴らしさは、見る者一人ひとりが自分の心で受け止め、味わうもの。友達と一緒に出かけるのもいいけれど、たまには一人きりの時間を楽しみたい。一人の時間をいとおしむことは、自分自身をいとおしむこと。日常から少しだけ切り離された空間で、時間を気にせずアートと向き合おう。こちこちだった心がふんわりと柔らかくなったら、帰り道は舗道に落ちている枯れ葉さえ、すてきなサインに見えてくるかもしれない。
 ため息の出るような泰西名画や、魂に訴えかけてくる和の伝統美。近代作家の残した足跡と、近代作家の熱い息吹。そしてその上質なコレクションを抱きしめる、緑あふれるミュージアム・ガーデン。街のそこかしこにたたずむ美術館は、私たちの小さなオアシスだ。扉の向こうには、熟成された本物のリラックスが待っている。


新潟市美術館
新潟市西大畑町5191-9
tel.025(223)1622
9:00〜16:30/月曜休
「小林秀雄の世界展 『知』の継承」
12月13日(金)〜2003年1月26日(日)/800円
小林秀雄の評論の対象になった国内外の美術品に、生原稿を添えて紹介。
會津八一記念館
新潟市西船見町5932-561
tel.025(222)7612
9:00〜17:00/月曜休
「大和への想い ―會津八一の奈良の歌―」
11月7日(木)〜2003年1月19日(日)/500円
奈良を詠んだ歌書作品や歌稿、『自註鹿鳴集』の原稿を展示。
敦井美術館
新潟市東大通1北陸ビル1F
tel.025(247)3311
10:00〜17:00/日曜・祝日休
「近代日本画展」
1月7日(火)〜3月29日(土)/500円
横山大観など、所蔵品の中から日本画の巨匠の作品を展示。
知足美術館
新潟市新光町10番地2技術士センタービル別棟2F
tel.025(281)2001
10:00〜17:00/日曜・祝日休
「琴舟道人・渡辺秀英先生追悼展」
12月14日(土)まで/300円
良寛研究家にして書道家・琴舟道人を追悼して、書道作品を中心に展示。
たかさわ文化民芸館
新潟市長潟894-1
tel.025(287)6222
10:00〜16:00/火曜休
「布の魅力を飾る」
12月4日(水)〜2003年3月30日(日)/500円
ほかに常設展もあり。
駒形十吉記念美術館
新潟県長岡市今朝白2丁目1番4号
tel.0258(35)6111
10:00〜17:00/月曜休
「平山郁夫特別展」
2003年4月末まで
「西都長安大街」など、所蔵品の中から平山郁夫の代表作30点余を展示。
新潟県立近代美術館
長岡市宮関町字居掛278-14
tel.0258(28)4111
9:00〜17:00/月曜休
「所蔵品によるひく楽しみ・かく歓び 素描の魅力」
11月23日(土)〜12月23日(月)/410円
小林古径の下絵など、所蔵品の中から素描を中心に約120点を展示。
新津市美術館
新津市大字蒲ヶ沢109-1
tel.0250(25)1301
10:00〜17:00/月曜休
「ミロ―マヨルカ島の光の中で」
11月9日(土)〜12月29日(日)/600円
スペインの近代美術を代表するミロが、マヨルカ島で制作した作品を展示。
蕗谷虹児記念館
新発田市中央町4丁目11-7
tel.0254(23)1013
9:00〜17:00/年末年始休
「常設展」
年末年始以外通年で展示/500円
12月4日(水)〜12月15日(日)まで、新発田市民ギャラリーにて絵本展を開催(無料)。

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