身近なお茶として、広く愛されている日本茶。身近なだけに、数多くあるお茶の種類や入れ方について、知っているようで知らないという人も多いのではないだろうか。おいしく入れるちょっとしたコツを知り、茶葉とお湯のハーモニーを味わってみてはいかがだろう。

 「朝は熱いせん茶で、目覚めの一杯を。昼下がりにはリラックス効果のある玄米茶を飲み、夜にはカフェインの少ないほうじ茶をいただく。二日酔いには渋めのお茶が合います」と浅川園・古舘邦彦社長。場面や好みによっていろいろ選べるのが日本茶のよいところだ。そんなお茶の味を左右するのは、アミノ酸(甘味)とタンニン
 (渋み)のバランス。それには、お湯の温度が重要なポイントになってくる。「熱湯だと渋味だけが出てしまうので、沸騰したての熱湯を使うのは良くありません。せん茶用のお湯は必ず湯冷ましにとって3分ほど待ち、80度から70度まで冷ましてから使ってください。早摘みの柔らかく、甘味の多い上級せん茶なら、よりお湯を冷ましてください」と浅川園古町店・白井美由紀店長はコツを教えてくれる。
 玉露ならもっとお湯を冷ますことが必要だ。「急須に50度から60度のお湯を注ぎ、3分ほど置きます。手間をかけて栽培された茶葉ですから、いただくときもゆっくりと、手間を惜しまずに入れ、独特の甘味とまろやかな味わいを楽しみたいですね」
 「お茶の水」など地名にあるように水選びもおいしいお茶には欠かせない。日本の水道水はカルシウム分などの少ない軟水で、日本茶には適しているという。「水道水はなるべくやかんで沸かし、カルキ臭を飛ばしてから使って下さい」と古舘社長。硬度の高いミネラルウオーターはタンニンがうまく抽出されないのでお茶には不向きだという。
 お湯を冷ます、茶葉の量を量る、急須・湯飲みを温める…。手順を守って入れてみると、日本茶は驚くほどおいしくなる。ゆっくりと入れたお茶をじっくりと味わう時間は、気持ちを落ち着かせ、心にゆとりを与えてくれる。日本茶にはそんな効果が確かにある。



1.沸騰させたお湯を、急須と湯飲みに適量注ぎ、温める。湯冷ましにも入れて適温まで冷ます。

2.急須と湯飲みのお湯を捨てる。3人分5グラム(1人分2グラム弱)の茶葉を急須に入れる。茶箕(ちゃみ)1杯が5グラム。

3.湯冷ましのお湯を急須に注ぐ。注いでから1分待つ(せん茶の場合)。砂時計があると楽しい。

4.濃さが均等になるように少しずつ注ぎながら急須を往復させる。量は湯飲みに半分くらい。入れすぎない。

5.最後の1滴まで、お湯を残さず出しきる。残っていると茶葉が浸っていることになり、2煎(せん)目が渋くなるため。1回分の茶葉でおいしく飲めるのは2煎目まで。

6.急須をトントンと軽くたたいて、茶葉の片寄りを直す。蒸らさないよう、ふたを少し開けてずらしておく。 

お茶の葉ができるまで
  せん茶に代表される緑茶は、摘み取った茶葉を蒸気で蒸して酸化を止めた「不発酵茶」。その後、葉をもむ工程を経て緑茶になる。茶葉を長い時間かけて蒸した「深蒸し」タイプは「渋味が少なく飲みやすい」とここ数年人気のペットボトル飲料でもおなじみ。

自分好みの茶葉を見つけて下さい。

ほうじ茶
番茶や下級せん茶を高温でいったもの。香ばしく、さっぱりとした味わい。カフェインなどが少なく、子供にも。熱いお湯を一気に注いで香りを立たせる。

せん茶
苦味と甘味のバランスがほど良く、さわやかな香りが特徴。入れ方によって味が変わってくるため、「自分の入れ方」を覚えたい。

玄米茶
香ばしくいった玄米を茶葉に加えたもの。独特の香りが身も心もほっとさせてくれる。熱湯で香りを立てるのがコツ。

玉露
直射日光を当てずに育った茶葉。口に含むととろっとした甘味が広がる。手間を惜しまずにゆっくりと入れたいお茶。

茎茶
せん茶などの製造工程で出た茎の部分を集めたもの。せん茶茎茶、玉露茎茶、茎ほうじ茶など種類が多い。すっきりと軽やかな味わい。

粉茶
せん茶などの製造工程で出た、葉の柔らかい部分が粉状になったもの。おすし屋さんのお茶でおなじみ。熱いお湯でさっと出し、苦味と濃厚な味わいを楽しむ。


気軽に抹茶を楽しもう
作法が難しい、正座は足がしびれそう。そんな理由で「お茶」を敬遠してはいないだろうか。気軽に家庭でもお茶をたててみたいと思えばテーブルの上、お盆の上でも楽しむことができる。最低限必要なのは茶わん、茶勺(しゃく)、茶せん、なつめ(お茶を入れておくもの)、茶巾、水こぼしの6点。お湯は電気ポットから直接茶わんに注いでもいい。「お茶とは本来、自由で楽しいもの。身の回りにあるものの応用です」と石州流怡渓派の高山梅風師範。まずは、茶会をのぞいて、一服のわび、さびを楽しんでみては。
お茶のいただき方

「お先にいただきます」と次の人にあいさつ

右手で茶わんを取り、左手に載せて、右手を添える

左ひざの上に載せて泡の立ち具合、を見て、一口飲んで「結構でございます」とあいさつ

飲み終わったら、親指、中指、ひとさし指で飲み口をふき、親指で戻す(指は懐紙でふく。茶わんの飲み口を向こう正面に回しておく)
お菓子のいただき方

次の人に「お先に」とあいさつ

菓子器を両手でいただき、懐紙を取り出す(2つ折りになっている紙を折り返すところ、折らないところと流派により異なる。分からなかったらそのままでもよい)

右手で上からはしをとり、左手を添えて右手でご飯の時のようにはしを持つ

菓子器に左手を添えて懐紙に載せる(はし先が汚れたら懐紙で先をふいておく。干菓子は手で取る)

市民に気軽に茶の湯を楽しんでもらおうと1950年から始まった「新潟市民茶会」は全国でも有数の規模、歴史を誇るイベント。今年はせん茶、抹茶合わせて12流派がお点前を披露するほか、NEXT21・市民プラザの「体験コーナー」ではお点前の指導もする。また、全茶席の和菓子展示会も万代市民会館など3会場で開かれる。茶席券は、前売り3席分が1500円、当日は1席分600円。
問い合わせ新潟市民茶会実行委員会025(233)1031。

戻る