ジャズ喫茶スワンは、1964年、古町通6番町にオープンし、1974年に現在の西堀通4に移転しました。先代マスターである父は、お客さんの要望に応えてよく東京までレコードを買いに行きました。そんな父の影響もあり、ジャズはいつも身近にある音楽でした。そのころから集めたレコードはCDも含め4000枚になります。お店に来るお客さんによって、最適な1枚をセレクトして流しているんですよ。
特別な1枚と言われたら、エリック・ドルフィーの「LASTDATE」を挙げますね。初めて聴いたのは、24歳のころでした。ジャズと言えば、アメリカ的なスタンダードジャズが一般的ですが、エリック・ドルフィーはジャズにフルートやバスクラリネットといった音色を取り込み、新しいフリージャズという世界を作り上げていったんです。彼の試みが、次々に枝分かれして進化を遂げ、現在のフリージャズという確固たる地位を築くまでになりました。だから、初めて聴いた時のインパクトはものすごく強かったですね。今聴いても、あまりにも新鮮で強烈なので、お店で流すのは控えているくらいです。
もう1枚、こちらは奥さんのオススメですが、ウエイン・ショーターの「Footprints」も最近ではキラリと光る1枚です。5曲目の「アウン・サン・スー・チー」が好きでよく聴いています。リズムが少し変わっていて面白いんですよ。こちらもライブ盤で、緊張感と熱気が伝わる一枚です。
ジャズのよさはアドリブが利くところ。演奏者によっては30分でも1時間でも演奏し続けます。もちろん、曲の途中からすっと入り込めるのも魅力です。スワンでは、5年程前からライブを定期的に行っています。若い女性のお客さんも増え、「あの車のCMの曲流して下さい」とリクエストもあるくらい。気軽にお店のドアをたたいてもらって、若い人にもジャズの魅力をもっと知ってほしいですね。
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