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| “体験を越えた情景”を生み出すチカラ。 そんな魅力を持った曲。 |
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思い出の曲というのは、そのメロディーを聴いたときにある種の情景が浮かびあがる曲のことを指すと思います。それは非常に個人的な情景ですから、人には言えない気恥ずかしいエピソードをともなったり、言えたとしても感情移入は難しかったりと、けっこう選ぶのに苦労します。 例えばジョージ・ウィンストンが演奏する「パッヘルベルのカノン」(収録アルバム「ディセンバー」)は大好きな曲ですが、これをコンサート会場で聴いたときの感慨は言葉にすると色あせてしまうほどに深いものでした。20歳のころから好きであり続けてきた曲なので、そこにはいろんな情景が付随しています。その曲を生で聴けた喜び、しかもその記念すべき瞬間には隣に妻がいて…とかいう話はやっぱり個人的な思い入れが強くなりすぎますよね。ちと、気恥ずかしい。 そういうわけで少し方向性を変えて、曲そのものに一種のチカラがあり、これを聴くと実際には体験していないのに懐かしさをともなった情景が浮かび上がるという曲を…(とはいうものの、これも個人的な思いこみでしかないのですが)。 1つはロリーナ・マッケニットの「ザ・ママーズ・ダンス」(同「ザ・ブック・オブ・シークレッツ」)。この人はカナダの女性ボーカリストでケルト音楽方面で活躍しています。なんでもケルト人の末裔(まつえい)だとか。「ザ・ママーズ・ダンス」は哀切感漂う曲ですが、とてもドラマチックな旋律を持っていて聴くたびにワクワクします。もし前世というものがあるなら、そのころの記憶を刺激して風景を呼び覚ますような、そんなチカラを持っています。 もう1つはドアーズの「ラヴ・ストリート」(同「太陽を待ちながら」)。2-3回聴けば覚えてしまうほど耳になじみやすいメロディーですが、この曲には寂しさと明るさが混在しています。漠然とした言い方になるのを承知で言うと、既視感を生み出す不思議な魅力を持つ曲です。 |
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