公開が決まったとき、三橋達也さん、大木実さん、青木富夫さん、この3人が出ているのだからもうこれは見るしかない!と思いました。劇場では3回、もちろんDVDも購入しました。篠崎誠監督が新潟に来たとき、作品への質問に1つひとつ丁寧に答える姿がとても印象的で、大好きな監督だということも作品を何度も見る理由のひとつです。
映画をよく見るようになったのは大学生になったころからでしょうか。いろんなジャンルのものを見ましたが、なぜか古い時代の映画にひかれます。今回とりあげた作品は比較的最近のものなのですが、三橋達也はじめ、かつての日本映画の黄金期を支えてきたような人たちが今もかっこよく、りんとした演技をみせているところが実にいいですね。亡くなった私の祖父が主人公らと同年代にあたるということもあって、戦争体験後の生き方など、つい重ねて見てしまう部分もあります。
なんといっても大木実が演じる居酒屋主人とその妻を演じる内海桂子さんの会話のシーンが見ていてしみじみとした気持ちになります。青木富夫のひょうひょうとした演技にもにやりとさせられますし。なのに、まさかあのような結末になってしまうとは…。
未来への希望を託すかのようにハーモニカが手渡されるシーンがせめてもの救いでしょうか。今の世の中、善も悪も判別のつかない時代ですが、そんな中でも「守らなければならないものがある」、「毅然(きぜん)として生きていく」という強い信念が伝わってくる、そんな作品です。
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