池田理香
新潟市在住。新潟大学経済学部経営学科を卒業。いくつかのアルバイトを経験した後、現在は会社員。得意のイラストを生かしたポストカードも制作。新潟市内の雑貨店「Utika(ウチカ)」各店にて販売中。


「ダンサー・イン・ザ・ダーク」
監督:ラース・フォン・トリアー
出演:ビョーク、カトリーヌ・ド・ヌーブほか

(2000年 デンマーク) アメリカの片田舎で息子と暮らす移民のセルマ。彼女は遺伝性の病気で視力を失いかけていた。同じ病気を持つ息子の目の手術費を作ろうとわずかな稼ぎを蓄えていた。大好きなミュージカルを踊っているときが一番幸せなセルマ。そんな彼女に思ってもいない悲劇が…。2000年カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)、主演女優賞受賞。
(松竹、フジテレビ、アスミック 5800円+税)


心の中を離れない衝撃的なラスト

 友人と映画に行くことになって、何気なく見たのがこの作品でした。最初は全然ミュージカルっぽくなくて、日常をビデオで淡々と映しているような映像だったんですが、20〜30分過ぎてから突然、主人公セルマの空想としてのミュージカル映像になる。今までと違う手法、人間の想像力のすごさを映像として見られることに「こういうミュージカル映画もあるんだ!」と衝撃を受けました。ラストも衝撃的で、しばらく作品のことが頭から離れず、心の中に思いを引きずりましたね。今までいろいろな映画を見たけれど、ここまで引きずったのは小さいころ見たドラえもんの映画以来です(笑)。
 主人公セルマが最後のほうで歌う「うた」は、自然に口をついて出てきている「うた」だと思います。セルマはとても才能のある人。想像力もすごい。でもそれを表に出さず、心に秘めていた。最後の最後に初めて表に出した。あの「うた」がなければただの切ない映画だったと思うし、あの「うた」を歌わせるためにこの映画のストーリーがあったのだと思います。
 私は今、ポストカードを作ったりして自分の作品をたくさんの人に見てもらっています。でも誰に見てもらわなくても絵は描いているし、描き続けている。この作品のミュージカルの部分=セルマの想像も誰に見せるものでもないけれど、好きなことをイメージしてそれが生きる糧になっている。好きなことを見つけられている自分は、幸せだなと、この作品を見て心から思います。

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