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「新しい映像」に衝撃を受ける | |
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映画を見始めたのは就職してからなんです。6、7年になるでしょうか。「映画監督に会いたい!」という軽い気持ちから、発足して間もない「にいがた映画塾」に参加し、いろいろ勧められて徐々に、という感じですね。よく見るのは、日本映画とフランス映画です。今回挙げた「すももももも」の今関あきよし監督は最も好きな監督です。主人公の女子高生小桃は、駄菓子のすもものシロップ漬けを光にかざして見るのが何よりも好きな女の子です。真っ赤なシロップが太陽の光に反射してキラキラ光る映像を見た時、「あっ、これは私たちの時代の新しい映像だ」って、かなりの衝撃を受けました。普通私たちが映画を撮るときは、脚本があって、1カットずつ「よーい、スタート」で撮るんですけど、今関監督の場合は、その時の被写体に対する思い入れの強さが映像にしっかり表れているんです。例えば、少女が何回か出てきますが、その表情をジーっと見つめて、一番いい顔の瞬間を決して逃さないんです。人形を動かしているのではなく、動いている人間の最高の表情を映像でとらえる力は今関監督ならではだと思います。 浜崎あゆみが小桃の妹役で出ていますが、彼女の生き方がこの映画では重要だと思うんです。彼氏もいて、学校もそれなりに楽しんでいる普通の高校生。呼吸器に疾患を抱えていて突然の発作に悩まされながらもしたたかに生きている。姉は結局、「死」を迎えてしまいますが、妹は病気と共にずっと生きていくんですよね。一見、アイドル映画と思われるかもしれませんが、言葉では表現できない微妙な思春期の少女の気持ちを繊細な映像でつづった1本だと思います。混とんとして、よくわからない時代にあって、今の時代を必死に受け入れようとする感覚。映像の力で現代の病理、よくわからない部分に立ち向かう姿勢が感じられる作品です。 「お家に帰りたい」のアラン・レネ監督も好きな監督です。もともと「夜と霧」、「二十四時間の情事」といった作品でアウシュビッツやヒロシマを題材に撮り続け、難解な表現が多いのですが、戦争や歴史を今の私たちがどうとらえていくかを不器用ながらも明確に提言してくれる作品が多いのです。戦争映画を見ても、普通はスクリーンの中の世界と割り切って見てしまいます。アラン・レネ監督の作品は、私たちが生活する何気ない日常の中にも、歴史があって文化があるということを身近な問題として考えさせてくれるのです。「お家に帰りたい」でも、アメリカとフランスの文化の違いを例にとって、異文化をどう受容するか、自意識とどう向き合うかがコメディータッチで描かれています。アメリカ人の漫画家が言葉の通じないフランス人に対して、有名な歌を歌ってコミュニケーションを取ろうとするシーンは、その必死な姿にジーンときてしまいます。 結局、「人間を人間らしく」撮っている映画が好きなんですね。私自身の作品でも、身近なことから離れないで「人と人とのつながり」をテーマに撮り続けていきたいと思っています。 |
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